吉ヶ原駅

吉ヶ原駅について

吉ヶ原駅（きちがはらえき）は岡山県美咲町吉ヶ原に位置するかつての片上鉄道の駅であり、現在は廃駅となっています。この駅は1931年に開業し、吉ヶ原周辺の地域における交通の要所となっていました。開業当初は勝田郡飯岡村に所属していましたが、1955年に柵原町が成立したことで所在地名が変更されました。さらに、2005年の町合併によって美咲町となり、最終的に美咲町の一部として地名が知られることになりました。

駅の歴史と変遷

開業当初、吉ヶ原駅は2面3線の相対式ホームを有しており、当時の駅舎は三角屋根の木造建築でありました。駅の運営は有人でありましたが、時代が進むにつれて昼間は無人となることもありました。1991年に鉄道路線そのものが廃止されることになると、駅舎もその役割を失いましたが、後に鉄道代行バスの停留所として活用されるようになりました。

駅舎自体は2006年には登録有形文化財として登録され、その歴史的価値が評価されています。また、廃止後の1998年には柵原ふれあい鉱山公園が開業し、旧駅構内の一部もそこに取り込まれました。

駅周辺の見どころ

吉ヶ原駅は、周辺に豊かな自然や文化財が点在しています。近くには火の谷山があり、中国自然歩道が整備されているため、登山やハイキングに訪れる人々に親しまれています。また、本経寺や柵原病院などの施設も近隣にあり、交通面でも岡山県道26号に接続しています。さらに、中鉄北部バスの「吉ヶ原」停留所も近くにあり、津山駅へと結ぶ路線が今も運行されています。

廃止後の吉ヶ原駅

吉ヶ原駅の廃止以降、駅舎の一部は活用されています。かつての線路の一部は撤去されましたが、一部は復元され、柵原ふれあい鉱山公園の一要素として展示されています。2020年には新型コロナウイルスの影響で一時展示運転が休止されましたが、その再開時期は現在未定です。

駅構内には12両の車両が保存・展示されており、中でも旧国鉄のキハ07形気動車、特にキハ702は映画やドラマの撮影にも利用されました。具体的には、映画『アキレスと亀』やテレビドラマ『砂の器』での撮影に使われることがありました。

文化的な意義

吉ヶ原駅は、歴史的な鉄道施設として多くの文化的意義を持ちます。2015年にはGoogleストリートビューのギャラリーが設置され、駅舎内や構内の様子をオンラインで見ることができるようになりました。また、2014年には駅側で約130メートルの線路が復元され、新たに「黄福柵原駅」と名付けられた駅舎が休憩施設となりました。

結論

かつての交通の要所であった吉ヶ原駅は、現在もその名残を残しており、周囲の自然や文化と共に訪れる人々に親しまれています。現在も地域の歴史や交通の一部として、観光名所としての役割を担っています。

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