吉岡政徳

吉岡政徳について

吉岡政徳（よしおか まさのり）は、1951年生まれの日本の文化人類学者で、特にオセアニア地域の研究に注力してきました。彼は神戸大学の名誉教授であり、2007年から2011年の間は日本オセアニア学会の会長を務めました。以下に、彼の経歴や業績について詳しく紹介します。

教育と職歴

吉岡は奈良県奈良市で生まれ、東大寺学園高等学校を卒業後、東京都立大学の大学院社会科学研究科に進学しました。1979年に満期退学し、同年に同大学人文学部の助手としてキャリアをスタートさせました。その後、信州大学教養部の常勤講師や助教授を経て、1988年に神戸大学教養部助教授に就任しました。

1992年には神戸大学国際文化学部の助教授に昇進し、1995年には教授に就任しました。2007年からは大学院国際文化学研究科で教授を務め、2016年に名誉教授として退職しました。さらに、放送大学兵庫学習センターの客員教授も兼任し、教育の現場でも幅広く貢献しています。

フィールドワークと研究

吉岡はオセアニア地域、特にメラネシアのヴァヌアツ共和国において、長期にわたるフィールドワークを実施しています。中でも、ペンテコスト島北部のラガ地方での村落調査が特に有名です。この研究に基づいて執筆した民族誌『メラネシアの位階階梯制社会ー北部ラガにおける親族・交換・リーダーシップ』は、多くの注目を集め、第15回大平正芳記念賞を受賞しました。

主な著作

吉岡の著作は多岐にわたりますが、主なものには次のような書籍があります:

• - 『反・ポストコロニアル人類学ーポストコロニアルを生きるメラネシア』（2005年）
• - 『ゲマインシャフト都市ー南太平洋の都市人類学』（2016年）
• - 『豚を殺して偉くなるーメラネシアの階梯制社会におけるリーダーへの道』（2018年）
• - 『忘れられた作曲家テオドール・デュボワ―人類学から見たフランス近代音楽史』（2024年）

これらの著書を通じて、吉岡はオセアニア研究の発展に大きく貢献しており、その業績は評価されています。

功績と受賞歴

吉岡は、オセアニア研究に対する貢献が評価され、第4回石川榮吉賞を受賞するなど、多くの名誉を得ています。また、神戸大学国際文化学部長や日本文化人類学会理事、日本オセアニア学会会長など、多くの学術団体において重要な役割を果たしてきました。

現在の活動

現在、吉岡は神戸大学名誉教授として、フィールドワークや著作活動を続ける一方、文化人類学の発展に寄与したいと考えています。彼の研究は、オセアニアを理解するための重要な手がかりとなるでしょう。彼の業績や思考は、今後の文化人類学の研究においても影響を与え続けることが予想されます。

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