吉川宏

吉川 宏（よしかわ ひろし）

吉川宏は1931年10月13日に樺太で生まれ、2009年5月3日に逝去した日本の国際政治学者です。彼は主に国際政治学や外交史を専門とし、特に国民国家の変容、平和論、そしてマスデモクラシーの下での外交政策に関する研究を行いました。彼の学問は、日本だけでなく国際的にも多くの影響を与えました。北海学園大学の名誉教授として、その教育にも尽力しました。

略歴

吉川の学問の道は、1949年に北海学院に入学することから始まりました。この学校は1950年に廃止されると、彼は北海短期大学に編入学し、1951年に同校を卒業します。その後、1955年には北海道大学法学部を卒業し、同年にはその法学部の助手として教育者としてのキャリアをスタートさせました。

彼は1958年から新墾藤学園高等学校で教鞭をとった後、1960年に北海道学芸大学学芸学部釧路分校の講師として移ります。1963年には、北海道教育大学学芸学部釧路分校の助教授に昇進し、さらに1969年には北海学園大学法学部の教授に任命されます。1986年には大学院法学研究科教授に就任し、2003年にそれまでの功績により名誉教授の称号を授与されました。退職後も2005年まで非常勤講師として教育現場に貢献しました。

エピソード

彼の教育者としてのキャリアは、恩師である矢田俊隆との関係からも深く影響を受けています。矢田は北海学園大学法学部で「国際政治学」講座を非常勤で担当していましたが、吉川はその後任として常勤担当になることになりました。これにより彼は国際政治学の領域での専門性を深め、後の著作や研究の基盤を築くこととなるのです。

主要著書

吉川は多くの著書を著しており、彼の研究成果は様々な形で表れています。代表的な著作には、以下のようなものがあります。

• - 久田栄正編の"法と政治"（分担執筆、法律文化社、1967年）
• - "平和への指針 : 戦後平和論についての考察"（泉文堂、1975年）
• - "国民国家システムの変容 ― トランスナショナル化した世界"（学術出版会、2008年）

これらの著作は、国際政治や外交政策の理解を深めるための重要な資料として、今日でも引用されています。

参考文献

彼の学問に関する情報は、熊本信夫が編集した"教育・研究年報1"（北海学園大学法学部・大学院法学研究科、1993年）でも確認できます。これにより彼の業績や理念をより深く理解することができるでしょう。

吉川宏の業績は、日本の国際政治学の発展に大きく寄与しており、彼の思想は現在も多くの学識者に引き継がれ、研究や教育の場で生き続けています。

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