吉川真司

吉川 真司（よしかわ しんじ）

吉川真司は、1960年生まれの日本の著名な歴史学者であり、京都大学の名誉教授です。彼の研究分野は日本古代史であり、特に律令制度やその変遷に関する知見が評価されています。奈良県出身で、彼の学問的な旅は大学での基礎から始まりました。

学歴と経歴

吉川は1979年に東大寺学園高等学校を卒業後、1983年に京都大学文学部を卒業しました。その後、大学院に進学し、1986年には文学研究科の修士課程を修了します。1989年には博士後期課程を満期退学した後、4月から京都大学文学部で助手として教育と研究に従事しました。

1996年には文学部の助教授となり、1997年からは京都大学総合博物館の助教授に就任します。さらに2001年には再び文学研究科に戻り、2008年に教授へと昇進、2024年に名誉教授としての称号を受けることになります。

吉川は大学生活の中で、岸俊男や鎌田元一といった指導教員からの影響を受けつつ、特に考古学の分野での調査活動も行っています。

研究内容

吉川の研究は、日本古代の官僚制に焦点を当て、その形式と機能を探求するものです。彼は石母田正や早川庄八の研究を受け継ぎつつ、新たな洞察を提供しています。具体的には、10世紀後半における律令官人制の再編成を明らかにし、この時期を「初期権門政治」と位置づけ中世の起点として評価しました。この研究成果は、佐藤全敏からは「現代における律令官僚制研究の到達点」とも称されています。

また、90年代以降に同学派の研究者たちが行った「10世紀後半画期論」についても、彼が先駆者的な役割を果たしているとされています。

主な著書と編著

吉川の研究成果は、多くの著書や編著として結実しています。彼の代表的な著作には、1998年に発表した『律令官僚制の研究』があります。この書は、日本の官僚制度における重要な理論的枠組みを提供しています。

さらに、2011年に出版された『聖武天皇と仏都平城京』や、同年に刊行された『飛鳥の都』も彼の重要な研究成果です。特に『律令体制史研究』（2022年）は、彼の研究の総集編と言えるもので、律令体制に関する深い考察が多数含まれています。

編集者や共同執筆者としても活躍しており、様々な専門書を編纂しています。これらの経験を通じて、吉川は日本古代史研究において欠かせない存在となっています。

結論

吉川真司の名は、日本の古代史を理解する上で欠かせないものです。彼の鋭い洞察と豊富な研究成果は、多くの後進に影響を与え続けており、今後も古代史の研究の進展に寄与するでしょう。

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