吉村功成

吉村功成（よしむら ことり）は、1965年3月23日に長崎県で生まれた日本のゲームクリエイターであり、プログラマーです。改名前は同字で「吉村功成（よしむら かつのり）」と名乗っており、通称としては「うるにゃん（urdcat）」としても知られています。

彼のキャリアは、ゲーム開発会社であるテクノソフトの創業メンバーとして始まりました。在籍中、吉村氏はシューティングゲームの金字塔として名高い『サンダーフォース』や、斬新なシステムを持つ『プラズマライン』といった初期の代表作の開発に深く関わりました。これらの作品は、当時のコンピューターゲーム業界において一定の評価を得ています。

1985年8月にテクノソフトを退社した後、同年11月11日には新たに設立されたアルシスソフトウェアに創業役員として参画しました。アルシスソフトウェアでは、広大な宇宙を舞台にしたRPG『スタークルーザー』など、後に彼の代表作として挙げられる作品群の開発を手がけています。アルシスソフトウェアは後にサイバーヘッドへと社名を変更しましたが、2001年に倒産しました。吉村氏自身は、特定の理由から、会社の倒産直前に経営陣と袂を分かち、アルシスソフトウェアを離れたと後に語っています。

アルシスソフトウェア離脱後、2001年末にはゲーム開発会社のトレジャーに入社しました。この頃、彼は自身の代表作の一つである『スタークルーザー』の復活プロジェクトの立ち上げを公言しましたが、トレジャーでの在籍期間は長く続きませんでした。2002年10月頃には会社から解雇予告を受けたといいます。トレジャーに籍を置いていた間、時間の余裕があったため個人的に小説を執筆していた、と後に述べています。

トレジャーを解雇された後、同年年末にはソフトウェア開発会社のペガシスに入社しました。この時期、吉村氏は「現代の企業におけるゲーム開発スタイルには自身が適していないと判断した」と振り返っています。ペガシスでは、主にMPEGやDVDに関連するソフトウェア開発に従事しました。プログラマーとしての豊富な経験、特にアセンブリ言語を用いたプログラミングスキルを生かし、Pentium 4プロセッサ上でのソフトウェア実行速度向上をアセンブリレベルで担当するなど、その技術力を発揮しました。

一方、ペガシス在籍中も『スタークルーザー』への思いは強く、当初の復活プロジェクトは次第に個人的な活動へと位置づけが変わっていったものの、開発スタッフの募集を行ったり、ファンに向けて作品への要望を会社に送るよう呼びかけたりするなど、意欲的に活動を続けました。

しかし、2005年春頃から過眠症などの体調不良に見舞われ、勤務状況が悪化し始めました。この体調改善を図るプロセスの中で、彼は自身が性同一性障害（GID）であることを公にしました。さらに、非常に限定的ながら半陰陽の性質も有していることを公言し、周囲に少なからず驚きを与えました。その後、勤務状況は一時的に改善が見られたものの、同年7月には再び悪化したため、ペガシスを去ることとなりました。

ペガシス退社後、一年後の法人設立を目指して「神楽坂ソフトウェア工房」を開設しましたが、事業として軌道に乗せることはできませんでした。その後、2006年9月にはマインドウェアに入社しましたが、こちらも2008年10月末には職を失っています。2008年12月からは、別のゲーム制作会社に入社し、活動を続けているとされています。

吉村功成氏の主な代表作としては、以下が挙げられます。

『サンダーフォース』
『プラズマライン』
『スタークルーザー』
『ナイトアームズ』

ゲーム開発黎明期から数々の作品に携わり、その後のキャリアパスの中で自身の内面や健康状態についても率直に語ってきた人物です。

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