吉村融

吉村 融

吉村 融（よしむら とおる、1930年1月24日生まれ）は、日本を代表する人類学者および心理学者です。政策研究大学院大学の学長を経て、現在は同大学の理事として教育界での貢献を続けています。彼の専門は行動科学であり、学問の発展に寄与してきました。

経歴

吉村融は福井県に生まれ、1952年には東京大学文学部哲学科を卒業。卒業後は東京大学にて助手としてのキャリアをスタートさせます。1955年から1967年にかけて、東京大学における教育を重ね、その後、埼玉大学にて助教授（1967年）、教授（1972年）へと昇進しました。

1977年には埼玉大学大学院政策科学研究科の長を務め、学部に基礎を置かない独立した大学院の設立に尽力しました。その後も、1994年に政策科学教育研究機関（仮称）の創設準備室長を務め、1997年には政策研究大学院大学の創設準備室長としてこの新しい教育機関を立ち上げました。大学が開校した後はその学長として指導的な役割を引き受け、教育や研究の向上に向けた取り組みを推進しました。そして2007年以降は政策研究大学院大学の理事として活動しています。

参加した審議会・委員など

吉村融は多岐にわたる委員会や審議会に参加しています。中央教育審議会の委員や学術審議会専門委員、産業技術審議会専門委員として、教育制度や学術界における政策に大きな影響を与えてきました。また、科学技術庁の参与や文部科学省科学技術政策研究所の顧問として、科学技術の発展にも寄与しています。

文化庁文化政策推進会議の委員として文化政策の実現に向けた活動も行っており、新国立劇場運営財団の理事として文化芸術分野でも貢献しています。これらの役割は彼の幅広い知識と経験を活かし、さまざまな分野でリーダーシップを発揮する機会となっています。

受章

2016年には瑞宝重光章を受章しており、これは日本に対する多大な貢献を讃えられた結果と言えます。

備考

吉村はまた、埼玉大学の理学部や工学部と理化学研究所との間に設置された連携大学院の構想にも深く関わりました。この取り組みは、学際的な教育プログラムを通じて教育の可能性を広げることを目指しています。

さらに、新構想大学創設準備委員会のメンバーとして、筑波大学や兵庫教育大学など、従来にはない新しい形態の大学の設置にも寄与しました。これらの活動は、教育システムの多様性を促進し、国内外の学生に新たな学問の選択肢を提供することを目的としています。

吉村融のキャリアは、彼が人類学と心理学の分野で築いた業績のほか、教育政策や文化政策への幅広い関与により、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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