吉田えり

吉田えり: 日本初の女子プロ野球選手

吉田えり（よしだ えり）は、1992年1月17日生まれの神奈川県横浜市出身の女子野球選手です。「ナックル姫」として知られ、投手としての実力を誇ります。彼女の夫は日本独立リーグ野球機構の事務局長を務めており、福井ワイルドラプターズの球団社長、小松原鉄平氏です。

経歴の始まり

吉田えりは川崎市で生まれ、少し年上の兄の影響を受けて小学校2年生から野球を始めました。横浜市立中川西中学校では軟式野球部で一塁手を務めましたが、3年生の時に硬式野球に転向し、父の強い勧めもあって投手へと転身しました。高校では右手甲の炎症で硬式野球部を5日で辞め、その後は自宅の地下でナックルボールの習得を始めました。影響を受けたのはテレビで見たティム・ウェイクフィールド選手です。彼はナックルボールに特化した投手でした。

プロの道へ

高校卒業後、吉田選手は社会人野球クラブチームに所属し、2008年には女子クラブチームのアサヒトラストに移籍。同年11月の関西独立リーグのトライアウトに合格し、神戸9クルーズに入団しました。これは日本人の女子選手が男子と同じチームでプレーする初のケースでした。高校在学中であったため、通信制の学校に転学しながらプロ生活をスタートしました。

2009年には関西独立リーグの開幕戦に登板し、11試合で0勝2敗、防御率は4.63でした。その後、彼女はアメリカに渡り、出場機会を得るためにチコ・アウトローズに入団しました。2010年にはそのチームで公式戦初出場を飾りました。

米国での挑戦

吉田選手はアメリカの独立リーグに参加し、その活躍が注目を集めました。特にニューヨーク・タイムズに掲載されたことで国際的な注目を受けることになりましたが、投球成績は安定せず、苦しい時期が続きました。その後、帰国し関西独立リーグの兵庫ブルーサンダーズに復帰、初勝利も挙げることができました。

2013年には石川ミリオンスターズに移籍し、選手と球団フロントを兼務。彼女は成績を重ねながら女性選手としての地位を確立していきました。2015年にはBCリーグ史上初の女性選手による勝利を記録し、さらなる前進を遂げました。

しかし、2017年には怪我の影響で練習生契約に変更され、その後自由契約となり新たな挑戦の道を探ることとなります。

監督業と結婚

2017年11月にはエイジェック女子硬式野球部の監督に就任し、選手としても活躍しています。また、2018年にはBCリーグの事務局長との結婚を報告しました。夫の小松原は野球界でも知られる存在となっていきます。

2022年にはMLBが「球界のバリアを壊した女性」を特集し、その中に吉田選手が取り上げられました。彼女は常に新たなチャレンジを求め、自分自身を進化させているのです。

プレースタイルと今後の展望

吉田選手は、その投球スタイルが多様であり、ナックルボール以外にもカーブやシュートを織り交ぜるようになりました。球速も向上し、最新のフォームでは最速113km/hを記録。このように彼女は女子野球界に新しい風を吹き込んでいます。

今後も吉田えり選手の歩みから目が離せません。彼女の存在は女子野球の発展に大きく寄与するものとなるでしょう。

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