ティム・ウェイクフィールド

ティモシー・スティーブン・ウェイクフィールド

ティモシー・スティーブン・ウェイクフィールド（Timothy Stephen Wakefield）は、1966年8月2日にフロリダ州メルボルンで生まれ、2023年10月1日に脳腫瘍により57歳で亡くなった、アメリカのプロ野球選手です。メジャーリーグベースボール（MLB）では主に投手として活躍し、特にナックルボールを武器にしたことで知られています。彼は1992年にメジャーリーグに昇格し、通算200勝を達成した職人です。

経歴

ウェイクフィールドは幼少期から野球に親しみ、リトルリーグでは遊撃手と投手のポジションをこなしました。彼の投球スタイルは当初、速球を中心としていましたが、父親が投げるナックルボールを見て学び、独自のスタイルを模索していました。高校時代は野手と投手を兼任し、フロリダ工科大学では一塁手として活躍しました。この間、彼は数々の記録を打ち立て、1988年にピッツバーグ・パイレーツからドラフト8巡目指名を受けてプロ入りしました。

プロとしてのキャリアは順調ではありませんでした。特に、アマチュア時代の成功とプロの壁の違いに直面し、当初はスカウトから「野手を続けても芽は出ない」と確信されるほどの苦境に立たされました。しかし、ナックルボールによる転向が彼の運命を変えました。1990年に投手に転向し、1992年にメジャー初昇格、その後は8勝1敗の成績を残しました。

波乱のキャリアと復活

1993年にはスランプに陥り、成績が低迷しましたが、1995年にボストン・レッドソックスと契約し、再起しました。そこで、ナックルボールの名手であるフィル・ニークロやジョー・ニークロから指導を受けたことで、彼は見事に復活し、16勝8敗の成績を挙げ、カムバック賞を手に入れました。

その後のキャリアでは、先発[[投手]]としてだけでなく、リリーフやロングリリーフとしても多様な役割を果たしました。2005年には年俸400万ドルの契約を結び、翌年にはマイナーリガー生活を抜け出しオールスターゲームにも選出されました。

ナックルボールの名手

ウェイクフィールドの投球スタイルは、独特な変化球であるナックルボールが中心でした。この球種の特性から、捕手にとっては捕球が難しいため、ウェイクフィールド専属捕手を務める選手も現れるほどでした。彼が信頼する捕手としては、ジェイソン・バリテックやダグ・ミラベリが挙げられます。ミラベリが移籍後もウェイクフィールドに専属して戻ったエピソードは、彼自身の力強いキャラクターや人望を物語っています。

通算成績と引退

2011年には19年目で通算200勝を達成し、ナックルボール投手としては特に輝かしい成果を挙げました。2012年に現役を引退後も、彼にナックルボールを投げる選手が少なくなり、2013年にはスティーブン・ライトがレッドソックスでメジャーデビューを果たしました。

2023年、ウェイクフィールドは脳腫瘍のため生涯を閉じましたが、彼の生涯はナックルボーラーとしての不屈の精神と努力の象徴です。多くのファン、選手に親しまれた彼の姿勢は、今でも多くのアスリートに影響を与えることでしょう。

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