吉田光治郎

吉田 光治郎

1988年5月25日生まれ、大阪府出身の元ラグビーユニオン選手。現役時代のポジションはフランカー（FL）。身長178cm、体重102kg、血液型B型。3人兄弟の末っ子として育ち、現在はプロのラグビーコーチとして活動の場をニュージーランドに移している。

経歴

学生時代

ラグビーのキャリアは啓光学園高校で始まった。在学中の2005年には、チームの第84回全国高校ラグビーフットボール大会優勝に貢献。この勝利は、同校にとって大会4連覇という歴史的な偉業の一端を担うものとなった。

高校卒業後、ラグビー強豪校である帝京大学に進学。帝京大学ラグビー部では、その才能を早くから認められ、1年次からレギュラーの座を確保した。在籍した4年間でほとんどの公式戦に出場し、チームの中心選手として活躍。特に4年次には、チームメイトからの圧倒的な信頼を得て、全員一致で主将に選出された。これは、プレーヤーとしての実力だけでなく、責任感の強さや人間性がいかに評価されていたかを物語るエピソードである。

大学選手権においては、チームの2連覇（第46回、第47回）に大きく貢献。大舞台での勝負強さを発揮し、両大会の決勝戦で重要なトライを挙げたことは、多くのファンの記憶に残っている。こうした勝負所での活躍ぶりから、ラグビー関係者の間では「持っている人間」と評されることもあった。また、決勝戦後のスピーチでは、聞く者の心に響く感動的なメッセージを残している。

社会人キャリア

帝京大学を卒業後、トップリーグのトヨタ自動車ヴェルブリッツ（現・トヨタヴェルブリッツ）に入団。プロの世界においても、競争の激しいフランカーのポジション争いを勝ち抜き、開幕戦で先発メンバー入りを果たし、早速トライを記録するなど、順調なスタートを切った。トヨタ自動車時代には、チームの主将も務め、リーダーシップを発揮した。

2013年には、当時の日本代表ヘッドコーチ、エディー・ジョーンズから高い評価を受け、日本代表に初選出された。ジョーンズHCは、吉田選手の能力をオーストラリア代表の世界的フランカー、ジョージ・スミスと比較するなど、そのポテンシャルに大きな期待を寄せていた。

しかし、日本代表選出後に度重なる怪我に見舞われ、約2年間もの間、公式戦から遠ざかる苦しい時期を過ごした。この間も懸命なリハビリに取り組み、2016年に復帰。トヨタ自動車には、南アフリカ代表をW杯優勝に導いた世界的名将ジェイク・ホワイトが就任しており、その指導の下、選手として更なる成長を遂げた。

2018年にトヨタ自動車を退社し、新たな挑戦としてオーストラリアのプロリーグNRC（ナショナル・ラグビー・チャンピオンシップ）に参戦、メルボルン・ライジングでプレーした。その後、日本に戻り、2019年にキヤノンイーグルス（現・横浜キヤノンイーグルス）、2021年には宗像サニックスブルースに加入し、キャリアを続けた。

2022年、所属していた宗像サニックスブルースの廃部に伴い、現役からの引退を表明した。

引退後

選手生活を終えた後、ラグビーの本場であるニュージーランドへ渡り、コーチングの道を歩み始めた。2023年からはプロコーチとして活動を開始し、新たなキャリアを築いている。現役時代の豊富な経験とリーダーシップを活かし、指導者としての手腕が期待されている。

座右の銘は「一生懸命」であり、この言葉が現役選手として、そして指導者として、常に全力でラグビーに向き合う彼の姿勢を表している。

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