吉田寿光

吉田 寿光のサッカーキャリアと審判としての道

吉田 寿光（よしだ としみつ、1963年8月29日生まれ）は、栃木県宇都宮市で生まれ育った元サッカー選手であり、著名なサッカー審判員です。彼のサッカーキャリアは、高校時代から始まり、宇都宮高校のサッカー部に所属していました。その後、筑波大学に進学し、大学でもサッカーを続けましたが、体調不良のためプロ選手になる夢は叶いませんでした。大学卒業と同時に彼はサッカー選手としてのキャリアを終了しました。

1987年、彼は栃木県内の公立高校の教員として赴任し、高校サッカー部の顧問を務めました。そこでサッカーを指導していた吉田は、1988年に3級審判員として登録され、1993年には1級審判員に昇格しました。さらに2000年には国際審判員の資格も得ることとなります。彼は教員としての仕事と審判員としての活動を両立させながら、サッカー界に貢献してきました。

しかし、2003年には教員としての職を離れ、プロフェッショナルレフェリー（PR）として契約を結びました。彼は2004年1月1日の第83回天皇杯全日本サッカー選手権大会決勝では主審を務め、同年のJリーグでは優秀主審賞を受賞しました。また、2008年にも同じく優秀主審賞に輝くなど、審判としての成果を上げていきました。

吉田は、2016年にプロフェッショナルレフェリーとしての契約を終了し、2018年には25年にわたる1級審判員としての活動を終えました。しかし、実際には1級資格の更新講習でのテスト結果が影響し、結果的に審判活動が終了した形です。彼のJリーグでの担当試合数は502試合、特にJ1リーグの338試合に関与した実績があります。この記録は、2021年に家本政明に更新されるまで、歴代最多記録として日本サッカー界に名を刻みました。

話題となった試合・判定

特に印象深い試合として、2006年のFIFAワールドカップ・アジア予選5位決定戦があります。ウズベキスタン対バーレーン戦で発生した誤審により、吉田はFIFAとAFCから無期限の国際審判資格停止処分を受けました。この誤審は試合のルール適用を誤った結果、PKの蹴り直しが必要な場面で間接フリーキックが与えられるという重大なものでした。このため、試合は再試合となり、その際に主審の権限に対する議論が巻き起こりました。吉田自身は、朝日新聞のコラムにおいて「今後判定を覆すことを認めるルールができるなら、『トシズ・ルール』と名付けて歴史に名を残したい」と述べています。

また、2012年のタイFAカップ決勝でも話題を呼びました。この試合で吉田は八百長の提案を受けたことが報じられましたが、彼はこの誘いを断り、その後アジアサッカー連盟（AFC）に報告したとされています。

人物とスタイル

吉田は、Jリーグで最も身長が低い主審（170cm）としても知られています。彼は、ウェアのチャックを半分開けた状態で審判を行うスタイルを持ち、これは尊敬する審判アンドレス・フリスクに敬意を表してのものです。このスタイルは他の審判員にも影響を与えましたが、2010年からは審判用ウェアにチャックが廃止されたことに対して切なく思ったと語っています。愛用のホイッスルは、黄色と黒のFOX40を使用しており、彼の審判スタイルの一環となっています。

受賞歴

吉田寿光は、2004年と2008年にJリーグ優秀主審賞を受賞し、そのキャリアを華やかに彩りました。彼の活動はサッカー界において大きな影響を与え続けており、今後も彼の動向に注目が集まります。

もう一度検索