吉田敏浩

吉田敏浩: 日本のジャーナリズムの先駆者

吉田敏浩（よしだ としひろ）は、1957年9月11日生まれの日本人ジャーナリストであり、各地の戦争や人権問題を取材してきました。大分県臼杵市で生まれ育ち、大分県立臼杵高等学校を卒業後、明治大学文学部に進学。在学中には、探検部に所属し、異文化や人々との触れ合いを通じて新たな視点を培いました。

経歴と業績

1985年から1988年にかけて、吉田はミャンマー北部でカチン人などの少数民族に焦点を当てた長期取材を行いました。この取材中、マラリアにかかり、命の危機に直面した経験が、彼のジャーナリストとしての観点をさらに深めることになりました。彼の取材成果は、NHKの番組「回想のジャングル」で発表され、その後、書籍『森の回廊』としてまとめられました。この作品は第27回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞し、彼の名を広める重要なきっかけとなりました。

他にも彼は「赤紙と徴兵」（彩流社）で第2回いける本大賞を獲得し、『「日米合同委員会」の研究』で第60回JCJ賞を受賞するなど、その業績は広く評価されています。彼は、日本の現状を深く掘り下げ、特に戦争に対する認識や日米関係について取材することが多く、各地で講演も行っています。

教育活動

吉田は学問の世界でも活躍しており、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科では特任教授を務め、また早稲田大学大学院の政治学研究科ジャーナリズムコースで非常勤講師として教鞭を執っています。彼の講義では、ジャーナリズムの役割や社会への影響、戦争と平和に関する重要なテーマが扱われます。

主な著書

吉田敏浩は多作の著者でもあり、以下のような著作があります。

• - 『森の回廊』（日本放送出版協会、1995年）
• - 『宇宙樹の森』（現代書館、1997年）
• - 『北ビルマ、いのちの根をたずねて』（めこん、2000年）
• - 『生命の森の人びと』（理論社、2001年）
• - 『夫婦が死と向きあうとき』（文藝春秋、2002年）
• - 『生と死をめぐる旅へ』（現代書館、2003年）
• - 『民間人も「戦地」へ、テロ対策特措法の現実』（岩波ブックレット、2003年）
• - 『ルポ　戦争協力拒否』（岩波新書、2005年）
• - 『反空爆の思想』（NHKブックス、2006年）
• - 『密約、日米地位協定と米兵犯罪』（毎日新聞社、2010年）
• - 『人を“資源”と呼んでいいのか』（現代書館、2010年）
• - 『赤紙と徴兵』（彩流社、2011年、ちくま学芸文庫2024年）
• - 『沖縄、日本で最も戦場に近い場所』（毎日新聞社、2012年）
• - 『日米合同委員会の研究』（創元社、2016年）
• - 他、多数。

吉田は現在、アジアプレス・インターナショナルに所属し、神奈川県に住んでいます。彼の作品や取材内容は、日本国内外の人々にとって、戦争や人権、歴史を理解する貴重な手助けとなっています。彼の活動は今後も多くの人々に影響を与えることでしょう。

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