吉田靖彦 (国際政治学者)

吉田 靖彦

吉田 靖彦（よしだ やすひこ、1922年3月21日 - 2009年）は、日本の国際政治学者であり、青山学院大学名誉教授として多くの業績を残しました。彼の学問は特にソ連経済についての洞察に優れ、国内外で広く認識されています。

経歴

吉田氏は京都府で生まれ、旧制豊岡中学校を経て京都大学を卒業しました。その後、東京商科大学（現一橋大学）で学び、大学院の修士課程を修了しました。学生時代には同級生である著名な作家の山田風太郎と親交を築き、彼から送られた手紙は山田風太郎記念館に所蔵されています。この手紙は後に『山田風太郎疾風迅雷書簡集』として出版され、多くの読者に影響を与えました。

その後、長崎大学経済学部で講師としてキャリアをスタートさせ、その後1956年から同大学の助教授に就任しました。1963年から64年にかけては、アメリカのインディアナ大学で学び、さらに在モスクワ日本大使館で調査員としても働きました。

滋賀大学経済学部では助教授を務め、1971年に教授に昇格しました。そして1972年から青山学院大学経済学部の教授となり、後に国際政治経済学部の教授も務めました。1991年には定年を迎え、名誉教授としてその後の学問的貢献を続けました。1974年には、慶應義塾大学から経済学博士の学位を取得し、彼の研究が正式に評価されました。

主要な著作

吉田氏は多くの書籍や論文を執筆しており、特にソ連経済に関する作品が顕著です。1962年の『ソ連経済の成長と低開発国援助』は、アジア経済研究所から出版され、ソ連経済のダイナミクスに新たな視点を提供しました。また、1973年の『ソ連経済の成長と資源配分』も重要な著作とされ、経済政策に関する理論的考察を展開しています。1990年には『ソ連、東欧諸国の経済発展と生産性の趨勢 比較経済体制論的一考察』を出版し、比較経済体制論における新たな視点を提供しています。

また、彼は学術論文の共編や翻訳にも携わっており、例えば1976年に共編した『現代ソ連論 現代ソ連の経済と産業』は、日本国際問題研究所より発表され、多くの研究者に参照されています。翻訳書では、1965年にL.V.カントロヴィッチによる『社会主義経済と資源配分』などがあり、他にも多くの国際的な研究成果を日本の読者に紹介しました。

最後に

吉田靖彦の希有な学識と貢献は、国際政治学や経済学の分野において重要な地位を築いています。彼の研究は後進の学者たちに多大な影響を与え、今もなお多くの人々に支持されています。彼の人生と業績は、学問の世界における情熱と探求の象徴であり、今後も研究者たちの道しるべとなることでしょう。

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