吉祥寺オデヲン

吉祥寺オデヲンとは

吉祥寺オデヲンは、東京都武蔵野市吉祥寺に位置する映画館です。1954年に吉祥寺オデヲン座として開館して以来、幾多の変遷を経て現在の形に至ります。運営は東亜興行株式会社が行っており、同社が経営する唯一の映画館事業場です。本記事では、吉祥寺オデヲンの歴史、変遷、そして吉祥寺の映画文化における役割について詳しく解説します。

オデヲン・チェーンの時代

1954年9月、東亜興行は吉祥寺駅東口近くに木造の映画館「吉祥寺オデヲン座」を開館しました。これは、同社が展開する「オデヲン・チェーン」と呼ばれる洋画専門のロードショー後の作品を上映する映画館ネットワークの一角を担うものでした。当時、吉祥寺地区には映画館が少なく、同館は地域住民にとって貴重な娯楽施設でした。

開館当初は『ミスタア・ロバーツ』や『七年目の浮気』などの名作が二本立てで上映され、多くの観客を魅了しました。吉祥寺オデヲン座以前の吉祥寺地区には、井の頭会館という映画館が存在したのみで、戦後に吉祥寺オデヲン座が開館して以降、多くの映画館が吉祥寺に誕生しました。

複数スクリーンの時代

1978年10月、吉祥寺オデヲン座は閉館し、跡地に「吉祥寺東亜会館」が新築されました。この会館内には、吉祥寺松竹オデヲン（地下1階）、吉祥寺スカラ座（3階）、吉祥寺セントラル（5階）、吉祥寺アカデミー（2階）という4つの映画館が開業し、1階には吉祥寺ゲームセンターがオープンしました。これらの映画館は、それぞれ異なる特色を持ち、様々な映画ファンのニーズに応えました。

1981年前後には、吉祥寺松竹オデヲンが吉祥寺松竹に、吉祥寺アカデミーが吉祥寺アカデミー東宝に改称され、それぞれ松竹系、東宝系のロードショー館として機能しました。その後、吉祥寺松竹は吉祥寺オデヲン座と再び改称しています。1990年代に入ると、吉祥寺地区には他にも映画館が存在し、映画文化の中心地として栄えました。

現在の吉祥寺オデヲン

2012年1月21日、吉祥寺東亜会館内の全ての映画館は「吉祥寺オデヲン」に名称を統一しました。同年8月31日には、地下1階の映画館を閉鎖し、現在の3スクリーン体制となりました。現在、吉祥寺オデヲンは、3つのスクリーンで様々なジャンルの映画を上映し、地域の映画ファンに親しまれています。吉祥寺オデヲンは、吉祥寺東亜会館とともに、長年にわたり吉祥寺の文化を支え続けています。

吉祥寺東亜会館について

吉祥寺東亜会館は、1978年10月に東亜興行が新築・開業した総合レジャービルです。同館内には、吉祥寺オデヲンの他、パチンコ店「オリエンタルパサージュ吉祥寺」などが入居しています。フロア構成は、時代の変遷とともに変化しており、様々なテナントが入れ替わってきました。

データ

所在地：東京都武蔵野市吉祥寺南町2丁目3番16号 吉祥寺東亜会館
経営：東亜興行株式会社
会館構造：鉄筋コンクリート、地上5階、地下2階
観客定員数：
5階：246名（旧吉祥寺セントラル）
3階：249名（旧吉祥寺スカラ座）
* 2階：224名（旧吉祥寺東宝）

吉祥寺の映画館の歴史

吉祥寺地区には、吉祥寺オデヲンの他に、吉祥寺ムサシノ（後の吉祥寺バウスシアター）、吉祥寺東映、吉祥寺東宝など多くの映画館がありました。これらの映画館は、吉祥寺の映画文化を形成する上で重要な役割を果たしました。しかし、時代の流れとともに閉館する映画館も多く、現在では吉祥寺オデヲンと吉祥寺プラザの2つの映画館が残るのみとなっています。吉祥寺オデヲンは、吉祥寺の映画史を語る上で欠かせない存在です。

まとめ

吉祥寺オデヲンは、吉祥寺の映画文化を支えてきた歴史ある映画館です。その変遷は、吉祥寺の街の変遷とも重なり、多くの人々に愛されてきました。今後も吉祥寺オデヲンは、地域の映画ファンにとって重要な存在であり続けるでしょう。

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