吉良修一

吉良 修一（きら しゅういち）氏は、1949年4月23日に大分県で生まれ、2024年4月18日にその生涯を終えた元プロ野球選手です。高校時代には全国制覇を経験する輝かしい実績を残しましたが、プロの世界では苦闘し、高校時代の期待通りの活躍はできませんでした。

大分県立津久見高等学校に進学した吉良氏は、2年生となった1966年には、夏の甲子園に出場するチームの一員となりました。この時のチームには、1学年上の岩崎忠義選手や三浦保雄投手らがいました。吉良氏は控え投手として予選では登板しましたが、本大会では登板機会がなく、チームも初戦で報徳学園に敗れました。しかしその年の秋に行われた大分剛健国体では、チームは決勝まで進出。吉良投手は決勝戦で先発を任され、松山商業高校の西本明和投手と投げ合いましたが、0対1の僅差で惜敗し、準優勝となりました。

翌1967年、最上級生となった吉良投手は、エースとして春の選抜高等学校野球大会に出場しました。大会を通してチームは接戦が続きましたが、吉良投手が粘り強い投球を見せ、次々と強豪を破っていきました。特に決勝戦では、後にプロ入りする弘田澄男選手を擁する高知高校との熱戦となりました。延長12回までもつれ込んだ試合を、吉良投手が2対1で制し、見事全国優勝を果たしました。このチームには、1学年下に大田卓司選手がいました。しかし、同年夏の県予選では準決勝で敗退し、春夏連続の甲子園出場は叶いませんでした。この時の対戦相手は、後にプロでも活躍するエース河原明投手を擁する大分商業高校であり、試合は0対1という緊迫した展開でした。

高校での輝かしい実績、特に選抜優勝投手という肩書きを引っ提げ、1967年のドラフト会議で阪神タイガースから2位指名を受け、プロの門を叩きました。入団当初の背番号は39でしたが、1970年からは47に変更されています。

プロ入り後は、甲子園優勝投手として大きな期待が集まりましたが、高校時代のような圧倒的な投球を見せることはできませんでした。プロ2年目の1969年に一軍での初登板を果たし、同年には若手選手の登竜門であるジュニアオールスターにも選出されました。しかし、一軍での定着には苦労しました。

プロ初先発は、入団から数年を経た1972年8月5日の読売ジャイアンツ戦（阪神甲子園球場）でした。しかし、この試合では初回から打ち込まれ、わずか1/3イニングで降板し、敗戦投手となってしまいました。それでも同年10月15日には、ヤクルトアトムズ戦（東京スタジアム）で再び先発のマウンドに上がり、8回を1失点に抑える好投を見せ、プロ入り後待望の初勝利、そして初先発勝利を挙げました。翌1973年には一軍での登板はありませんでしたが、1974年には再び登板機会を得て1勝を記録しました。しかし、その後は再び登板機会に恵まれず、1976年オフに球団を退団しました。

プロでの現役生活を通して、吉良投手の武器はスライダーやカーブといった変化球でしたが、速球がシュート回転するという課題も抱えていました。高校時代に全国の頂点に立った投手としては、プロでの一軍での活躍は限定的なものに終わりました。

現役引退後は、建設関連の会社に勤務し、野球とは異なる分野で新たな人生を歩みました。吉良修一氏の野球人生は、高校時代の栄光とプロでの苦難という対照的な側面を持っていましたが、そのキャリアは多くの野球ファンの記憶に残るものでした。

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