吉良義俊

吉良義俊の生涯

吉良義俊（きら よしとし）は、江戸幕府の高家旗本として知られ、寛文10年（1670年）から寛保2年（1742年）までの間、波乱に満ちた人生を送りました。彼は吉良家の分流に生まれ、元々は蒔田（まきた）姓を名乗っていましたが、赤穂事件を経て吉良姓に戻ることになります。

祖先と家系の背景

義俊は、高家旗本である蒔田義成の長男として誕生しました。蒔田家は足利義氏の次男・吉良義継に遡る由緒ある家柄です。義俊の祖先は、吉良氏の本家の流れに関連しており、江戸幕府に仕官した際には、吉良姓を名乗ることを徳川家康から求められました。ただし、実際には自らの判断で改姓したとも言われています。義俊の代までに家名は継承され、身分も高家となりました。

幕府との関係

義俊は、貞享元年12月19日（1685年）に将軍徳川綱吉に初めて拝謁します。元禄4年（1691年）には父の死去により家督を継ぎます。元禄5年（1692年）には従五位下・侍従・河内守に叙任されて以降、順調に出世。元禄6年（1693年）には小姓組に転じ、さらに元禄7年（1694年）には知行地を増やしてより多くの領地を治めることができました。

赤穂事件と姓の復帰

赤穂事件の影響で、歴史的に高家の吉良家は断絶しましたが、義俊は藩主の姓を吉良に戻す許可を幕府に求め、宝永7年（1710年）にようやく承認されました。この年には浅野家の再興もあったことで、赤穂事件に関連する家々が同時期に復活を遂げたことも特筆すべき点です。

公務と名誉

義俊は、享保5年（1720年）には若宮昭仁親王の誕生に伴う幕府の祝賀使者に任命され、従四位下に昇進します。また、元文2年（1733年）には中御門上皇の崩御に際しても弔辞の使者として京都に派遣されるなど、名誉ある役割を果たしました。元文5年（1736年）には、奥高家職を辞し、無役の高家に変更されることになります。

晩年と死

寛保2年（1742年）の2月26日、義俊は73歳でこの世を去ります。彼の生涯は、高家旗本としての重要な役割を持ちながらも、時代の激変の中で様々な変遷を経た貴重な歴史的な出来事を示しています。義俊の功績と彼が歩んだ道は、今なお多くの人々に考察されています。

このように吉良義俊は、その生涯を通じて多くの歴史的な背景と重要な関わりを持ち続けた人物であり、実に興味深い日本の歴史の一端を担っていました。

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