吉野俊郎

吉野俊郎：日本ラグビー界のレジェンド

吉野俊郎（よしの としろう）は、1960年9月5日生まれの日本の現役ラグビー選手であり、茨城県出身です。彼のラグビーキャリアは、特にその情熱と努力により、多くのファンに知られています。

現役時代、吉野は主にウィング（WTB）やセンター（CTB）のポジションを担い、日本代表としては7キャップを持っています。ラグビーを始めたのは高校時代で、茨城県立日立第一高校での活動が、彼の基盤を作ることとなりました。高校卒業後は早稲田大学に進学し、そこでも彼の才能は開花しました。

大学時代、吉野は本城和彦や津布久誠とともに『三羽烏』と称され、強力なトライメーカーとして注目を浴びました。彼は走力に優れ、トライを決める姿は多くのラグビーファンの記憶に残っています。主にセンターとしてプレーしていた吉野は、その後、ウィングとしてもその能力を発揮し、チームの勝利に貢献しました。

吉野は大学卒業後、サントリー（現在のサントリーサンゴリアス）に入社しました。当時は新興チームであったサントリーのチーム力を向上させるため、彼は汗を流しました。しかし、大学や社会人時代には全国大会で優勝する機会に恵まれず、挑戦は続きました。

1995年度の全国社会人大会では、サントリーは神戸製鋼と対戦し、引き分けながらもトライ数により準決勝に進出しました。ここに吉野の存在感が顕著に表れ、準決勝では東芝府中に勝利。決勝では三洋電機と27-27の同点となり、トライ数の多さで優勝となりました。この年、日本ラグビーの頂点を獲得した瞬間は、彼のキャリアにおける重要なハイライトの一つです。

その後も吉野はサントリーで活躍を続けましたが、転勤に伴い、六甲クラブにてプレーを続行。1999年度の全国クラブラグビーフットボール大会においては優勝を成し遂げました。彼はその後もラグビーを続け、62歳となった2022年度シーズンには、トップイーストリーグCのワセダクラブトップラッシャーズに所属し、IBMや船岡自衛隊との試合に出場し、最年長出場記録を更新するという偉業を成し遂げました。

吉野はラグビー選手だけではなく、企業人としても活躍しています。サントリービア＆スピリッツ株式会社やサントリー酒類株式会社での経験を経て、2017年からは市場開発本部で部長として務めています。彼のラグビーに対する情熱は業界内外の人々に大きな影響を与えています。

1995年度の全国社会人大会の決勝戦では、実況を担当した伊藤史隆アナウンサーが吉野がトライするたびに『35歳！吉野！』と連呼したことで、観衆に一体感を持たせていました。このエピソードは、吉野のパフォーマンスを鮮明に描き出しています。

吉野俊郎は、日本のラグビー界において、年齢に関わらず挑戦し続ける姿勢を示す存在として、多くのラグビーファンから支持され続けています。

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