吉野敬介

吉野敬介：波瀾万丈な経歴を持つ古文講師

吉野敬介（よしの けいすけ）は、1966年6月25日生まれの日本の予備校講師です。代々木ゼミナール（代ゼミ）、東進ハイスクールといった大手予備校で教鞭を執り、多くの受験生を志望校合格へと導いてきました。近年では、YouTube予備校「ただよび」の古文講師として活躍し、その熱意あふれる授業は多くの支持を集めました。2023年3月31日を以て「ただよび」を離脱し、現在はフリーランスとして活動しています。

人物

神奈川県鎌倉市出身の吉野は、逗子開成高等学校、國學院大學文学部二部文学科を経て代ゼミ講師となりました。その経歴は多岐にわたり、過去には夕刊フジの論説委員長を務めていた時期もあったとされています。2020年4月には、東進との契約解消後、「ただよび」の古文講師としてYouTuberデビュー。コロナ禍においては、クラブハウス「変わった仕事の怖い話」にレギュラー出演したり、YouTubeチャンネル「吉野敬介の爆笑予備校」を立ち上げるなど、積極的に活動していました（「吉野敬介の爆笑予備校」は現在閉鎖）。

90年代にはバラエティ番組に出演し、自伝風の著書がVシネマ化もされました。しかし、2002年には講義中に生徒に暴行したとして傷害容疑で書類送検、2006年には杉村太蔵のブログが自著の内容に酷似していたとして激怒するなど、物議を醸すこともありました。2007年1月末に代ゼミを退職した際には、参議院選挙への出馬も噂されましたが出馬には至らず、同年、個別指導塾「吉野塾」を設立しました。その後、2008年には東進ハイスクールで講師として再雇用され、芸能プロダクションとの業務提携も行いましたが、現在は解消しています。

講師業の傍ら、自己啓発本や教育論も執筆しており、教育評論家としても活動。地方公共団体主催の講演会などにも登壇し、中学校の道徳の授業で題材として取り上げられることもあります。

経歴の問題点と矛盾

吉野の経歴については、様々な問題点や矛盾が指摘されています。著書や講義中の発言ごとに内容が異なり、暴走族時代の写真や模試の成績表など、経歴を裏付ける資料も公開されていません。例えば、大学受験を決意した時期や、受験勉強を始めた頃の偏差値、1日の勉強時間など、様々な点で食い違いが見られます。

ジャーナリストの角田裕育は、吉野の経歴の偽りについて「失望している」と述べ、その影響を危惧しています。

受験勉強に関する矛盾

受験勉強に関するエピソードにも、多くの矛盾が見られます。受験を決意した日付け、勉強を始めたきっかけ、模試の成績など、様々な点で詳細が変化しています。例えば、現代文の勉強法として朝日新聞の社説を書き写していたと述べていますが、ノートに記載された日付は高校2年生の頃のものであり、受験生時代のものではありません。

大学に関する矛盾

合格した大学についても、著書によって情報が異なっています。國學院大學に関しては、一部と二部のどちらに合格したのか、入学試験の日程など、事実と異なる記述が見られます。また、大学時代の成績についても、特待生であったという証拠はなく、様々なエピソードに矛盾が含まれています。

代々木ゼミナールでの経歴

代ゼミでの経歴についても、採用試験の有無、チューター時代の人気、初めての授業の規模など、様々な点で情報が錯綜しています。休講回数についても、著書によって回数が異なっています。

窃盗に関する記述

過去の著書では、窃盗の経験を赤裸々に語っていましたが、近年ではその記述が削除・修正されています。コンビニでの窃盗や、募金箱からお金を盗んだことなど、具体的なエピソードも語られていましたが、現在は否定的な立場を取っています。

高校時代以前のエピソード

高校時代以前のエピソードについても、貧乏であったという記述と、裕福であったという記述が混在しています。いじめについても、過去にはいじめを肯定するような発言をしていましたが、近年ではいじめを否定しています。また、暴走族の規模についても、著書によって人数が異なっています。

『パクった』騒動

2006年、杉村太蔵がブログに掲載した内容が自著の内容に酷似していたとして、吉野が激怒したことが話題になりました。しかし、吉野の著書にも、ビートたけしや矢沢永吉のエピソードを引用したと思われる箇所が複数存在します。

その他

インターネットをやらないと発言していたにも関わらず、ブログを開設していたり、株を否定していたにも関わらず、株で儲けていたりと、矛盾した言動が見られます。

吉野敬介の経歴や発言には多くの矛盾や問題点が含まれているものの、その熱意あふれる授業や独自の教育論は、多くの受験生に影響を与えてきました。今後、彼がどのような活動を展開していくのか、注目されます。

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