吉野昌孝

吉野 昌孝 - ロスナイの発明者

吉野 昌孝（よしの まさたか、1935年10月15日生まれ）は、2023年11月1日に亡くなった日本の技術者であり、三菱電機の元社員です。彼は1970年3月に発売された換気送風機「ロスナイ」の原理を発明し、同社で35年間にわたりその開発に携わりました。

ロスナイとは

ロスナイは、室内の温度と湿度をほとんど変わらない状態で換気を行うことができる画期的な製品です。この装置は、室内の空気と外気の温度及び湿度を同時に連続して交換することで、快適な室内環境を維持します。このような機能により、エネルギー効率の向上や快適な居住空間の提供を実現しました。

ロスナイは当初は住宅用として開発されましたが、その後、業務用としても幅広く利用されるようになりました。新幹線N700系電車や国会議事堂、東京都庁、横浜ランドマークタワーなど、様々な重要施設に設置され、日常生活やビジネスの現場で活用されています。

特許と技術の広がり

吉野は、アメリカ合衆国、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、イタリア、日本の7か国でロスナイに関する特許を取得しました。その結果、日本国内だけでなく、海外でもその技術が評価されることとなりました。ロスナイは2000年にJIS規格に、2003年には拡大化がされ、さらにその技術の標準化が進みました。

2014年には電気学会から「第7回 でんきの礎」に顕彰され、日本の特許法の100周年を記念して「100周年記念重要発明」としても評価されるなど、吉野の功績は多くの場面で称賛されています。

生い立ちと私生活

吉野は東京の板橋区で生まれましたが、第二次世界大戦の影響で新潟に疎開しました。彼は1954年に柏崎工業高等学校の電気科を卒業しましたが、高校在学中に父が事業に失敗したため、大学には進学しませんでした。その後、三菱電機に入社し、技術者としてのキャリアをスタートさせました。彼の技術的な洞察力とイノベーションに対する情熱は、ロスナイの発明へと結実します。

表彰歴

吉野の功績は高く評価され、多くの表彰を受けました。1971年には日本電機工業会から「進歩賞」を受賞し、1980年には全国省エネ展で「優秀製品賞」を獲得、さらに1983年には全国発明表彰で「通商産業大臣発明賞」を受賞しました。 1988年には通商産業省から「100周年記念重要発明」の称号を賜り、2017年には旭日単光章を受章しました。

略歴

• - 1954年4月: 三菱電機中津川製作所に入社
• - 1969年: ロスナイの発明を出願
• - 1995年: 定年後、技術アドバイザーに就任

吉野昌孝は、ロスナイの発明を通じて、換気技術の新たな地平を切り開きました。その業績は日本国内外において高く評価され続けています。彼の発明は、人々の生活環境の向上に大きく寄与し、今後もその影響力は続くことでしょう。

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