同慶 (于闐)

同慶（どうけい）

同慶は、10世紀初頭から中頃にかけて、中央アジアのオアシス都市国家であった于闐（うてん）で使用された元号です。于闐の王であった尉遅僧婆跋（うっちそうばはつ）の治世において、912年から966年までの期間に用いられました。

概要

同慶の初年については、中国の歴史学者である李崇智（りすうち）の研究によって、後梁（こうりょう）の乾化（けんか）2年、西暦912年に相当することが示されています。この研究は、同慶の使用開始時期を特定する上で重要な根拠となっています。

敦煌文書（とんこうぶんしょ）の中には、同慶の年号が記されたものが発見されており、最も後代の例としては同慶30年（941年）のものが確認されています。このことから、少なくとも941年までは同慶が使用されていたことが明らかになっています。ただし、一部の研究者の間では、同慶の使用は944年までとする説も存在します。

同慶の終期については、確かな記録が残っていないため、966年まで使用されていたというのはあくまで推測に過ぎません。しかし、912年から966年までの長期間にわたって使用された可能性が高いと考えられています。これは、当時の于闐が安定した政治体制を維持していたことを示唆しているかもしれません。

使用期間に関する諸説

同慶の使用期間については、研究者の間でいくつかの異なる見解が存在します。例えば、張廣達（ちょうこうたつ）や李新江（りしんこう）といった研究者は、同慶の使用下限を944年とする説を提唱しています。これは、敦煌文書の分析や他の歴史資料との照合によって導き出されたものです。

これらの研究は、同慶の歴史的意義をより深く理解する上で重要な貢献をしています。同慶が使用された期間を正確に特定することは、当時の于闐の歴史を解明する上で不可欠な要素となります。

西暦との対照表

同慶の年号と西暦との対応については、以下のようになっています。


注: これは一部であり、全ての年を網羅したものではありません。

参考文献

李崇智『中国歴代年号考』（中華書局、2004年）
張廣達、李新江「関於唐末宋初于闐国的国号、年号及其王家世系問題」（『敦煌吐魯番文献研究論集』北京大学中国中古史研究中心編、中華書局、1982年）

関連項目

他政権の同慶（曖昧さ回避）
元号一覧 (中国)

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