同窓会 (村下孝蔵の曲)

村下孝蔵の歌唱による「同窓会」（どうそうかい）は、1998年10月31日にシングルとして発表された楽曲です。ソニー・ミュージックエンタテインメント傘下のSony Recordsよりリリースされました。特筆すべきは、このシングルが村下にとって、翌1999年の突然の訃報により、結果として生前最後のシングル作品となった点です。なお、1999年に発売された追悼アルバムにも同名の『同窓會』がありますが、楽曲名が新字体の「同窓会」であるのに対し、アルバムタイトルは旧字体の『同窓會』が用いられています。

楽曲の背景と制作

本曲は、村下孝蔵のデビューから19年目にあたる年に発表された、通算26枚目のシングルとして位置づけられます。発表同年の11月から翌年の1月にかけて放送されたMBS制作のドラマ30『命賭けて〜あなたは我が子を守れるか!?〜』の主題歌として採用され、広く聴かれる機会を得ました。

本楽曲のプロデューサーを務めた須藤晃氏は、制作の背景として「このシングルをきっかけに、改めてかつての仲間たちと再び集まり、繋がりを深めたい」という思いがあったことを語っています。この楽曲は後に、1999年にリリースされた村下の追悼アルバム『同窓會』にも収録されましたが、その際は新たなアレンジが施されています（後述）。

シングル版とアルバム版の相違

前述のように、「同窓会」は追悼アルバム『同窓會』に15曲目として再録されましたが、シングル版とは異なる編曲が施され、楽曲の印象が大きく変化しています。

シングル版の編曲は須藤晃氏が手掛け、楽曲の前奏、間奏、後奏部分にはシンセサイザーが効果的に使用されています。歌唱パートでは、ギターとパーカッションに重きを置いたサウンドが特徴です。

一方、アルバム版では水谷公生氏が編曲を担当し、シングル版とは対照的にピアノを導入。ギターとの組み合わせにより、よりシンプルで落ち着いた雰囲気にまとめられています。

村下孝蔵が生前に発表した楽曲のうち、リミックスを除いて、これほど大きく異なる二つのアレンジが存在するのは「同窓会」だけであるとされています。これは、この楽曲が持つ多様な魅力を示唆しているのかもしれません。

シングル収録曲

シングル「同窓会」には、タイトル曲のほかにカップリング曲が収録されています。両曲とも作詞・作曲は村下孝蔵自身が手掛け、編曲はタイトル曲と同じく須藤晃氏が担当しています。

1. 同窓会
2. 素直

カバー等

「同窓会」は、村下孝蔵の代表曲の一つとして後世にも歌い継がれています。2006年には、村下孝蔵のトリビュートアルバム『絵日記と紙芝居〜村下孝蔵トリビュートアルバム〜』の中で、シンガーソングライターの高田梢枝によってカバーされ、新たな解釈で披露されました。

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