命賭けて

命賭けて～あなたは我が子を守れるか!?～

『命賭けて～あなたは我が子を守れるか!?～』（いのちかけて あなたはわがこをまもれるか）は、1998年11月30日から1999年1月29日にかけて、毎日放送（MBS）が製作し、TBS系列の「ドラマ30」枠で放送された昼帯の連続ドラマです。「ドラマ30」枠における「命シリーズ」の第6作にあたります。

本作は、放送当時から現在まで根強く存在する社会問題、特に若年層における薬物使用の広がりや、女子高校生による援助交際といったテーマを正面から、かつ赤裸々に描いたことで知られています。これらのデリケートな問題に対する果敢な取り組みは視聴者に強いインパクトを与え、放送中に大きな反響を呼びました。その反響の大きさから、製作局である毎日放送では、本放送終了後に特別に総集編が組まれるほどの注目度を集めました。

ストーリーの中心となるのは、私立高校に通う女子高生、さやか（楊原京子）です。活発な性格で友人も多いさやかは、旅行費用を貯めるためにコンビニエンスストアでアルバイトに励んでいました。しかし、なかなか目標額に届かない状況の中、偶然再会した幼馴染のまり江（猿渡有香）がブランド品を次々と手にしていることに驚きます。まり江は、援助交際を「割りのいいバイト」と考えて実践しており、迷うことなくさやかにもその方法を勧めます。

当初は戸惑いながらも、まり江に誘われるまま援助交際に足を踏み入れてしまうさやか。ところが、その事実がクラスメートに知られてしまい、かつての友人たちからの陰湿ないじめに遭い、学校での居場所を失って深く落ち込みます。精神的に追い詰められたさやかは、そんな時に出会ったある男性から「元気が出る薬」と称されるものを勧められ、手を出してしまいます。それは覚醒剤であり、さやかは瞬く間にその薬物の中毒に陥っていくのです。

一方、さやかの父親である研介（篠田三郎）もまた、会社の組織の中で葛藤を抱えていました。会社員である研介は、上司から得意先との接待のために、援助交際相手を手配するという非情な命令を受けます。娘の抱える問題を知らぬ間に、自身もまた援助交際という社会の闇に触れざるを得なくなる父親の立場も描かれ、親子の直面する困難が多角的に描かれています。

主要なキャストには、さやかの父・研介役を篠田三郎、さやかの母（近所の病院でパート勤務）役を根岸季衣、主人公・さやか役を楊原京子が演じました。その他、研介一家の隣人役として塩沢とき、さやかの幼馴染・まり江役として猿渡有香、そして猪野学、尾崎麿基、吉野佳子、入川保則といった俳優陣が出演しています。

本作の製作は毎日放送が手掛け、脚本は宮内婦貴子、演出は山本実、プロデューサーは芝野昌之と山本実が担当しました。また、演出補として鐘江稔（MBS企画）、制作として伊東雄三が名を連ねています。

主題歌には、シンガーソングライター村下孝蔵の楽曲『同窓会』が使用されました。村下孝蔵自身が作詞・作曲・歌唱を担当し、須藤晃が編曲を手掛けています。

なお、本作と同じスタッフチームによって、後に白血病をテーマにした「ピュア・ラブシリーズ」が製作されています。このシリーズには、本作にも出演した篠田三郎、猪野学、楊原京子をはじめとする多くの俳優が出演しており、両作品の間にはスタッフ・キャストにおける深い繋がりが見られます。

『命賭けて』は、当時の社会が抱える問題点を鋭く抉り出し、親子の関係性や社会の光と影を浮き彫りにした、記憶に残るドラマ作品として位置づけられています。

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