名もなき詩

名もなき詩

『名もなき詩』（なもなきうた）は、日本のロックバンドMr.Childrenが1996年2月5日にリリースした10枚目のシングルです。このシングルは、前作『シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜』から約半年ぶりのリリースとなりました。そのジャケットには、ボーカル桜井和寿の舌に「NO NAME」と書かれた画像が描かれています。アートディレクションを担当したのは信藤三雄です。

このシングルには、楽曲のインストゥルメンタルバージョンが収録されており、これは本作が最後となります。次にインストゥルメンタルバージョンが収録されるのは、2005年に発売された27thシングル『四次元 Four Dimensions』の「ヨーイドン」に限られます。

チャートでの成功

オリコンのシングルチャートでは、初週売上が当時としては歴史的な120.8万枚を達成し、オリコン史上初めて初週売上だけで100万枚を超えたシングルとなりました。最終的な累計売上は230.9万枚に達し、Mr.Childrenのシングルの中でも高い売上を記録している作品です。このシングルは、1996年の年間シングルランキングでも1位を獲得し、5thシングル『innocent world』以来のオリコン史上3組目となる年間1位を達成しました。さらに、2018年5月にはストリーミングサービスでの配信が始まり、2021年9月には3000万回のストリーム数を突破しシルバー認定、2022年8月には5000万回に達しゴールド認定も受けました。

収録楽曲の解説

名もなき詩

この曲は、フジテレビ系ドラマ『ピュア』の主題歌としても知られています。リリースされた7年後にはエリエールのCMソングとしても使用されました。楽曲制作の初期段階では、プロデューサーの小林武史からリズムパターンの提案がありましたが、うまく形にすることが出来ませんでした。しかし、桜井が自ら感じたメロディをもとに進めたところ、次第に曲が完成に近づきました。「早口言葉」のようなパートについて、作曲当時の桜井は新鮮さを感じ、小林もこのスタイルを高く評価しました。

また会えるかな

この楽曲は、NISSANの「ブルーバード」CMソングとしても知られています。聴く人々に穏やかな感情を呼び起こし、桜井は「この曲は下心が育てた曲であり、誠実さを大切にしたい」と語っています。彼のメロディが浮かんだ際、歌詞を展開していく過程も面白く、多様なアレンジが施されています。間奏部分ではビートルズを意識したサンプリングが含まれており、斬新な試みが感じられます。

ライブパフォーマンス

シングルの中でも特に『名もなき詩』は、ライブで頻繁に演奏される楽曲となっています。演奏時には観客とのコールアンドレスポンスが行われ、観衆の一体感を生んでいます。また、ファンクラブ限定ツアーでは、ファンが最も聴きたい曲として24位に選ばれるなど、その人気が伺えます。

さらに、Mr.Childrenのミュージックビデオが制作されていない数少ないシングルの一つであり、テレビ番組では独自の映像を用いて楽曲が演奏されています。

『名もなき詩』は、Mr.Childrenの音楽史において重要な位置を占めており、聴く人々に深いメッセージを伝え、未だに多くのファンに支持され続けています。これからも、この曲の魅力は色あせることはないでしょう。

もう一度検索