名岐鉄道デホワ1500形電車

名岐鉄道デホワ1500形電車について

名岐鉄道デホワ1500形電車は、名古屋鉄道の前身である名岐鉄道によって新製された木造の電動貨車です。この車両は、1934年に製造された2両の四軸ボギー車、すなわち1501号と1502号に由来しています。最初は名岐鉄道の名の下で運行されましたが、名古屋鉄道に統合されると、車両の名称はデワ1500形に変更されました。

当初、デホワ1500形は貨物輸送を主目的とした電動貨車として設計されました。その木造の車体は当時のトレンドを反映したものであり、四つの車輪が付いたボギー構造は、軽量さと安定性を兼ね備えたものでした。しかし、1954年頃になると、貨物室へのエアーコンプレッサーの取り付けなどの改造が実施され、デキ1500形電気機関車へと変貌しました。この改造によって、1500Vの電源に特化した運行が可能となり、名古屋鉄道の犬山線などさまざまな路線において使用されました。

しかし、電動貨車から改造された電気機関車は、その出力不足と老朽化が課題となる時期が訪れます。これにより、運行中の効率や安全性が懸念されるようになりました。結果として、1966年にはすべてのデホワ1500形が廃車となり、この歴史的な車両は運行の歴史から姿を消しました。

名岐鉄道デホワ1500形電車は、その独自の歴史と経緯から、貴重な鉄道遺産の一部として位置付けられています。木造電動貨車から出発し、電気機関車への改造を経て、名古屋鉄道に貢献した姿は、当時の鉄道技術や運用の進展を物語っているのです。鉄道ファンや歴史に関心を持つ人々にとって、デホワ1500形は日本の鉄道史における一つの重要な象徴として記憶されています。

脚注

名岐鉄道デホワ1500形電車に関する詳しい情報は、鉄道ピクトリアルアーカイブスセレクション30『名古屋鉄道1960-1970』に掲載されています。この文献は、名古屋鉄道の歴史や重要な車両についての詳細な記録を提供しており、デホワ1500形に関心を持つ方には特におすすめです。

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