名探偵コナン 時計じかけの摩天楼

名探偵コナン 時計じかけの摩天楼

『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』は、1997年に公開された劇場版名探偵コナンシリーズの第1作であり、シリーズの原点とも言える作品です。テレビアニメのヒットを受けて制作された初の長編アニメ映画であり、以後、劇場版シリーズは毎年春の恒例となっています。

概要

本作は、江戸川コナンこと工藤新一と、幼馴染の毛利蘭との関係が物語の軸となっています。コナンが暮らす米花町で発生する連続爆破事件と、新一の誕生日前夜における蘭との恋愛模様が描かれます。爆弾魔からの挑戦を受け、コナンは数々の爆弾を解除するために奔走します。爆破事件の真相を追う中で、コナンは犯人の意外な動機と、蘭への想いを再確認することになります。

オープニングの作品解説は本作から始まり、新一がコナンになるまでの経緯は、以降のシリーズ作品でも継承されています。また、本作で初登場した白鳥任三郎は、劇場版のレギュラーキャラクターとなり、後に原作にも登場するなど、シリーズに大きな影響を与えました。

ストーリー

ある夜、黒川邸で主人が殺害される事件が発生。毛利小五郎の推理に納得できないコナンは、麻酔銃で眠らせて事件を解決へと導きます。数日後、コナン（工藤新一）宛に建築家の森谷帝二からパーティーの招待状が届きます。蘭と共にパーティーに参加したコナンは、蘭が新一の誕生日に映画に行く約束をしていることを知ります。しかし、その1週間後、爆弾魔を名乗る男から新一宛てに電話が入り、連続爆破事件が発生。コナンは爆弾の爆破を阻止するために奔走します。

犯人は東都環状線に爆弾を仕掛け、警察は緊急司令を出します。コナンは爆弾の場所を特定し、爆発を阻止することに成功します。捜査の結果、放火事件のターゲットが全て森谷帝二の設計した建物であることが判明。コナンは森谷が犯人であることを見抜き、真相を暴きます。しかし、森谷は最後の爆弾を米花シティービルに仕掛けており、そこには蘭がいました。

ビルに駆けつけたコナンは、蘭に爆弾の解体を指示しますが、設計図にない赤と青の導線が現れます。コナンは蘭に決断を委ね、蘭は青い導線を切って爆弾を解除します。事件後、蘭が赤い導線を切らなかった理由が明らかになり、物語は幕を閉じます。

登場人物

江戸川コナン（工藤新一）: 本作の主人公。連続爆破事件に挑む。
毛利蘭: 本作のヒロイン。新一の幼馴染でガールフレンド。爆弾解体に挑む。
毛利小五郎: 蘭の父親で探偵。コナンに協力する。
阿笠博士: コナンの正体を知る発明家。コナンをサポートする。
森谷帝二: 著名な建築家。事件のキーパーソン。
白鳥任三郎: 警視庁の刑事。本作で初登場するオリジナルキャラクター。

評価

『時計じかけの摩天楼』は、劇場版名探偵コナンの原点として、多くのファンから愛されています。緻密なストーリー構成、手に汗握る爆弾処理のシーン、そして新一と蘭の絆を描いた感動的なラストシーンなど、見どころ満載の作品です。原作者の青山剛昌も、本作を最も思い入れのある作品として挙げています。

音楽

主題歌は杏子の「Happy Birthday」。挿入歌として「キミがいれば」が使用されています。音楽は大野克夫が担当し、作品を盛り上げています。

関連情報

監督: こだま兼嗣
脚本: 古内一成
音楽: 大野克夫
アニメーション制作: キョクイチ東京ムービー

劇場版名探偵コナンの歴史は、『時計じかけの摩天楼』から始まりました。シリーズの原点に触れたい方、まだ見たことがないという方は、ぜひ本作をご覧ください。

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