名神起工の地

名神高速道路起工の地：日本高速道路の起点

京都府京都市山科区小野小学校前、蚊ヶ瀬交差点付近には、日本の高速道路史を語る上で非常に重要な場所、「名神高速道路起工の地」があります。1958年（昭和33年）10月19日、日本初となる高速道路、名神高速道路の起工式がここで執り行われました。

当初、記念碑は名神高速道路の中央分離帯に設置されました。しかし、名神高速道路起工50周年、そして栗東IC～尼崎IC間開通45周年を記念して、2008年7月16日、地域住民や一般の人々も容易にアクセスできるよう、下り線側の側道沿いに複製碑が建立されました。

この碑文には、日本道路公団初代総裁、岸道三氏による起工式での鍬入れの様子が刻まれています。また、名神高速道路の上り線側にある桂川パーキングエリアには、「この先の山科付近が起工地である」ことを示す案内看板も設置されています。これらの取り組みは、歴史的意義を持つこの場所を後世に伝えるための重要な試みと言えるでしょう。

名神高速道路と旧東海道本線

名神高速道路は、滋賀県大津市大谷付近から京都府京都市伏見区付近まで、東海道本線の旧線に沿って建設されました。「名神起工の地」周辺は、1880年から1921年まで旧山科駅が存在した場所でもあります。そのため、複製碑の隣には「旧東海道線山科駅跡」の碑も建てられており、この場所の歴史的背景をより深く理解することができます。

高速道路本線上の石碑付近には、日本道路公団時代の巨大な門型広域情報板が現存しています。内側には日本道路公団時代の略称「JH」、外側には「名神」の文字が記されており、往時の面影を残しています。この情報板は、名神高速道路の長い歴史を象徴する存在と言えるでしょう。

アクセス方法

「名神起工の地」へのアクセスは比較的容易です。

京都市営地下鉄東西線小野駅より徒歩6分
京阪バス蚊ヶ瀬バス停すぐ: 各線京都駅八条口などから乗車できます。バス停の前に「名神起工の地」があります。

周辺には、歴史的建造物や史跡も多いことから、歴史散策と合わせて訪れるのもおすすめです。名神高速道路の起点となったこの地を訪れ、日本の高速道路の歴史を肌で感じてみてはいかがでしょうか。

まとめ

「名神高速道路起工の地」は、単なる石碑ではなく、日本の高速道路発展の歴史を象徴する重要な場所です。複製碑の設置や案内看板の設置など、その歴史的価値を後世に伝えるための様々な取り組みが行われています。この場所を訪れることで、日本のモータリゼーションの歴史と、その発展に貢献した人々の努力を改めて知ることができるでしょう。 日本の近代化、そして発展の歴史を垣間見ることができる貴重な場所として、多くの人々に訪れてほしい場所です。

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