名護浦荘

名護浦荘について

名護浦荘は、沖縄県名護市部瀬名岬に位置していた国民宿舎です。沖縄海岸国定公園の中心という恵まれた立地から、県内唯一の国民宿舎として多くの人々に利用されました。1975年4月に開館し、夏休みシーズンには家族連れや学生で賑わっていました。

しかし、周辺に類似施設が増加したことや、共同のバス・トイレといった設備が現代の利用者ニーズに合わなくなったことから、利用客が低迷。1999年3月31日に惜しまれつつも営業を終了しました。開館から1997年度までの間に、約37万人が利用したとされています。

閉館後、跡地は「部瀬名岬地区海浜リゾート開発計画」に基づき、ザ・ブセナテラスという新たなリゾートホテルが建設されました。

施設

名護浦荘は3階建てで、客室は6畳6室、8畳18室、16畳3室のほか、広間1室を備えていました。大浴場は男女それぞれ1つ、家族風呂が1つありました。また、テレビ、囲碁、将棋、麻雀、卓球といった娯楽設備も提供されていました。

歴史

名護浦荘の歴史は、1972年10月20日に沖縄県が環境庁長官に対し、沖縄国際海洋博覧会（1975年開催）にあわせた宿泊施設の整備を要望したことに始まります。当時、沖縄県には国民宿舎や国民休暇村がなかったため、公共的な宿泊施設の必要性が強く求められていました。

条例

名護浦荘の廃止は、以下の条例に基づいて決定されました。

平成10年12月14日: 第7回沖縄県議会（定例）第1号で、沖縄県立国民宿舎の設置及び管理に関する条例を廃止する条例案が提出されました。
平成10年12月17日: 第7回沖縄県議会（定例）第4号で、同条例案が経済労働委員会に付託されました。
平成10年12月22日: 第7回沖縄県議会（定例）第5号で、同条例案について、地方自治法第244条の2の規定により設置された名護浦荘を廃止するためのものであることが説明されました。また、平成9年9月1日に策定された沖縄県行政改革実施計画において、平成10年度の廃止が決定されていたことも明らかにされました。

交通アクセス

名護浦荘へのアクセスは、公共交通機関と自家用車の両方が利用可能でした。

公共交通機関: 那覇から沖縄バスまたは琉球バスを利用し、「沖縄海中公園前」で下車すると、名護浦荘へ行くことができました。タクシーを利用した場合、那覇から約1時間30分程度で到着しました。
* ドライブ: 那覇市から国道58号線を北上し、残波岬の東側から沖縄海岸国定公園内に入ります。万座毛、万座ビーチ、瀬良垣ビーチといった景勝地を通り過ぎ、伊武部ビーチを過ぎると、部瀬名岬の東側、国道沿いに名護浦荘がありました。那覇からの距離は約55kmでした。


名護浦荘は、沖縄の自然を満喫できる場所として、多くの人々に愛されました。閉館は残念でしたが、その跡地は新たなリゾート施設として生まれ変わり、沖縄の観光に貢献しています。

もう一度検索