万座毛

万座毛（まんざもう）

万座毛は沖縄県国頭郡恩納村に位置する壮大な名勝地で、訪れる人々を魅了しています。東シナ海に面し、約20メートルの高さを誇る琉球石灰岩の絶壁が印象的で、特に「象の鼻」と称される奇岩が象徴的です。この地域は1975年4月7日に県の名勝に指定され、沖縄海岸国定公園内に位置しており、自然の美しさと歴史的な価値が融合しています。

名前の由来

万座毛の名前は、1726年に琉球国王尚敬王が恩納村を訪れた際に遡ります。村人たちが伝統的な臼太鼓（ウシデーク）を披露し、王を歓迎したことで、その絶景が称賛されました。「万人を座らせるに足りる」という王の感動から、万座毛と名付けられたという由来があります。

自然環境

万座毛の石灰岩の断崖は、平坦な地形であり、風に強い草地が広がっています。主にコウライシバやタイワンカモノハシなどの芝が見られます。このエリアは、土壌が限られた特徴的な状態であるため、オキナワマツバボタンやナハエボシグサなどの特異な植物も観察できます。

また、万座毛の北東側の海岸崖地には、沖縄独自の生物が生育している場所があり、特にハナコミカンボクやオキナワスミレなどの固有種が存在します。海岸林地では、モクマオウやリュウキュウマツといった常緑高木や、タラノキやオオイタビなどが群生しており、豊かな生態系を支えています。

米軍基地の影響

万座毛が位置する岬全域にはアポガマやウドゥイガマといった素晴らしい景勝地が集まり、未来の再開発が期待されていますが、それに影響を与えているのが周辺の米軍基地です。特にキャンプ・ハンセンという大規模な基地が広がっており、再開発が進まなかった背景の一因となっています。

万座毛を含むエリアは、1951年に接収され、VOA通信所が設立されました。沖縄が返還された後も、1977年には恩納VOA通信所が返還されるも、再開発には多くの障害が生じ、特に汚染物質の問題が発生しました。しかし、リゾートホテルの誘致が進展しており、徐々に地域の再活性化が図られています。

再開発の進展

万座毛周辺は、観光施設やアクセスの充実が進んでおり、2020年10月には「万座毛周辺活性化施設」がオープンしました。この施設内には売店やフードコート、展望台などがあり、観光客にとって利用しやすい環境が整えられています。また、入場料が導入され、中学生以上は100円の入場料が必要になりました。

沖縄訪問を希望する観光客の中で、万座毛は2022年の調査で「沖縄美ら海水族館」に次いで人気の観光地として位置付けられています。

交通アクセス

万座毛へのアクセスも便利で、琉球バス交通や沖縄バスの恩納村役場前バス停から徒歩約15～20分、また、沖縄自動車道の屋嘉ICからは車で約7キロメートルの距離です。訪れる際には、公共交通機関の利用をぜひ検討してみてください。

万座毛は、その驚くべき自然の美しさや歴史的背景から、一度訪れてみる価値のあるスポットです。

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