名鉄ワフ70形貨車

名鉄ワフ70形貨車について

名鉄ワフ70形貨車（めいてつワフ70がたかしゃ）は、名古屋鉄道で過去に運用されていた木造の有蓋緩急車であり、全体で3両（ワフ71からワフ73）が製造されました。この貨車は、1928年に日本車輌製造で製造された、愛知電気鉄道の有蓋緩急車、いわゆるワフ330形（ワフ330からワフ332）を元にしています。

形態と構造

ワフ70形は、同時に製造された瀬戸電気鉄道の有蓋緩急車であるワフ10形と外観的に類似性があります。ワフ70形は、1935年に名岐鉄道と愛知電気鉄道が合併し、名古屋鉄道が誕生する際に、その運用が引き継がれました。この際に貨車は1941年にワフ70形（ワフ71からワフ73）に改番されました。特筆すべきは、ブレーキシステムが手動制動装置と空気制動装置を併用している点で、名古屋鉄道において唯一の国鉄直通貨車であったことです。

運用と廃車

主に名鉄の東部線で使用されていましたが、ワフ73は1960年代に廃車となりました。ワフ71とワフ72は1965年に瀬戸線へと移動し、その後1970年代には国鉄直通貨車でなくなりました。そして、1978年には瀬戸線での貨物営業が廃止されたことにより、これらも廃車となり、名鉄ワフ70形は形式を消滅させました。

静態保存

ワフ71は、豊田市の鞍ケ池公園において静態保存されていました。この保存の際には、ワフ71は当初瀬戸線で使用されていたものの、「三河線専用」との表示に変更されました。しかし、2003年にはデキ300形電気機関車（デキ302）やト1形貨車（ト1）と共に解体が行われました。

参考文献

名鉄ワフ70形貨車に関しては、清水武・田中義人・澤内一晃による『名古屋鉄道の貨物輸送』が資料として参考になります。この本は2021年にフォトパブリッシングから出版されており、ISBNは978-4-8021-3270-1です。

このように名鉄ワフ70形は、名古屋鉄道の歴史において重要な役割を果たした貨車であり、その形態や機能は当時の鉄道輸送の一端を担っていました。

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