名鉄ワム5100形貨車

名鉄ワム5100形貨車の詳細について

名鉄ワム5100形貨車は、名古屋鉄道で使用されていた木造の有蓋貨車であり、かつては尾西鉄道と東美鉄道に由来があります。この貨車は、全体で7両が存在しており、名鉄の運用期間中にいくつかの変更がありました。

概要

ワム5100形貨車は、1941年に元尾西鉄道のワム600形の5両（ワム601からワム605）を改称したものです。この改称により、ワム5100形はその名称で親しまれるようになりました。さらに、1943年に東美鉄道が名古屋鉄道に統合された際に、2両の木造有蓋車（ワム1とワム2）が名鉄に編入され、これがワム5106とワム5107として新たに番号付けされました。この経緯から、ワム5100形の車両間には諸元に違いが生じています。

元尾西鉄道由来のワム5101からワム5105は、1924年に日本車輌製造で製造されたもので、当初は空気制動が未装備でしたが、昭和20年代にはこの装備が追加されました。一方、東美鉄道由来のワム5106とワム5107は1928年に伊那電気鉄道で製造されており、製造時から空気制動が搭載されていました。

運用と特徴

この貨車は国鉄の貨物列車に直通可能であり、西部線での運用が主要な活動でした。昭和40年代には、ワム5101からワム5103、ワム5105の4両が常滑通運により私有貨車として使われていました。しかし、国鉄が1949年にダイヤ改正を行い、貨物列車の速度が75km/hに引き上げられた際に、ワム5100形は新基準に適合できず、また名鉄の私有貨車制度が廃止されたため、1968年に形式消滅に至りました。

主要諸元

ワム5100形貨車の仕様には、以下のような特徴があります。

• - ワム5101 - ワム5105

- 全長: 7,774 mm
- 全幅: 2,736 mm
- 全高: 3,730 mm
- 荷重: 15 t
- 自重: 8.3 t
- 軸距: 3,960 mm

• - ワム5106・ワム5107

- 全長: 7,792 mm
- 全幅: 2,736 mm
- 全高: 3,733 mm
- 荷重: 15 t
- 自重: 7.8 t
- 軸距: 3,900 mm

名鉄ワム5100形貨車は、名古屋鉄道の歴史の一部であり、その存在と役割は地域の物流にとって重要でした。現在では存在していないものの、その運用の過程や技術の進化が語り継がれています。

参考文献

• - 清水武・田中義人・澤内一晃『名古屋鉄道の貨物輸送』フォトパブリッシング、2021年。ISBN 978-4-8021-3270-1。

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