名鉄ワ160形貨車

名鉄ワ160形貨車について

名鉄ワ160形貨車は、過去に名古屋鉄道で運用されていた木造の有蓋貨車です。その歴史は非常に興味深く、鉄道の発展とともに歩んできた重要な車両の一つとなっています。

この貨車の起源は1890年（明治23年）にさかのぼります。元々は鉄道院によって製造された木造の有蓋車であり、その後の運命は様々な歴史的背景と結びついています。1920年（大正9年）、三河鉄道は貨物輸送の需要が高まる中、鉄道院からこの車両を譲受しましたが、手続き上のミスがあり、車籍を持っていない状態で存在していました。このため、正式に三河鉄道の車籍に登録されたのは1926年（大正15年）のことでした。最初はワ108という車両番号を与えられましたが、その後1931年（昭和6年）にはワ161に改番されました。

1941年（昭和16年）には三河鉄道が名古屋鉄道に合併された際に、名鉄ワ160形（ワ161）として引き継がれることになり、名古屋鉄道の一部として運用されることとなります。戦後は主に西部線で社内線用として活躍しましたが、時代が進むにつれ、その役割は配給車に移行しました。こうした変化は、戦後の社会情勢や鉄道の貨物輸送のニーズの変化を反映しています。

名鉄ワ160形貨車は、1961年（昭和36年）に廃車となり、その運用を終えましたが、その存在は名古屋鉄道の歴史の中で貴重な一部として語り継がれています。その特徴的な木造構造と、時代背景を持つこの貨車は、現在の鉄道ファンにとっても魅力的な存在です。さらに、清水武・田中義人・澤内一晃による著書『名古屋鉄道の貨物輸送』にも関連情報がまとめられており、名古屋鉄道の貨物輸送に関する理解を深めるための資料となっています。

このように名鉄ワ160形貨車は、単なる貨物輸送のための車両ではなく、鉄道の歴史や地域輸送の変遷を示す重要な存在であり、今後もその歴史が語り継がれることでしょう。

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