三河鉄道

三河鉄道株式会社の歴史

三河鉄道株式会社（みかわてつどう）は、愛知県においてかつて存在した鉄道事業者です。1941年に名古屋鉄道に合併されたこの会社の成り立ちは、1910年代に遡ります。地元の有力者や政治家など31人が発起人となり、初めて鉄道事業の申請を行いました。1911年7月には免許が下付され、その数ヶ月後には別のラインの設立も許可されました。この流れが、最終的に三河鉄道の設立につながりました。

設立と初期の発展

1912年5月、三河鉄道は正式に設立掲げられ、社名や資本金、軌間の変更が決定されました。建設プロジェクトは1913年に始まりましたが、経済的な不況が影響し、株式売上が滞りました。このため、社長の交代が行われるなど、経営は困難を極めました。1914年には主要路線が開通し、以降数年間で多くの区間が開業されました。

拡大と合併

1920年代には路線の拡張や電化計画が進められ、1927年には岡崎電気軌道との合併を果たしました。資本金も625万円へと増加しましたが、これらの設備投資は大きな債務を生む要因となり、経営は厳しさを増しました。その後、経営改善を目指して愛知電気鉄道との合併を試みましたが、粉飾決算が発覚し、契約は破棄されてしまいます。

1930年代の苦境

経営が厳しくなっていく中で、三河鉄道は銀行管理に入ることとなります。1934年には資本金の減少を余儀なくされ、経営再建に向けた努力が続けられました。加えて、1936年から1937年には新たな路線の免許を取得するなど若干の希望も見えましたが、全体的には経営が安定しない状況が続きました。

名古屋鉄道への合併

ついに1941年に名古屋鉄道に合併され、三河鉄道はその歴史に幕を下ろしました。同社はその後の名鉄の発展に寄与することとなり、愛知県内での交通網が強化されました。

保有路線と車両

三河鉄道は、碧海西部から北部への三河本線および岡崎線の2つのラインを保有していました。路線名称も、岡崎電軌を合併したことにより変わり、三河本線や岡崎線として多くの利用者にサービスを提供しました。また、社内では特定の電車や気動車、蒸気機関車など多様な車両が運用されていました。

三河鉄道の歴史は、地域の交通インフラの充実と共に歩んできた部分が多くあり、その影響力は今なお感じられます。また、名古屋鉄道としての発展の基盤を築いた数々の努力は、鉄道史において重要な位置を占めています。

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