名鉄高富線

高富線 (たかとみせん)

高富線は、岐阜県の岐阜市にある長良北町駅から、この県の山県市近くに位置する高富駅までの5.1キロメートルを結ぶ鉄道路線でした。この路線は名古屋鉄道（名鉄）が運行しており、全線が単線で、軌間は1,067mm、電化区間は直流600Vでした。高富線には全部で8駅が存在し、地元住民にとって重要な交通手段の一つとして利用されていました。

歴史

高富線の運行は1913年12月25日から始まりました。長良軽便鉄道という名称で開通し、間もなく岐阜市内の路線との直通運転を始め、沿線の人口の増加に伴い、乗客数も増えていきました。特に戦前の時代には、鉄道が交通手段として重宝されていましたが、車両の輸送力が限られていたことが次第に問題視されるようになります。

乗車券の取得や車両運行に関しては、ハンドブレーキの操作ミスによる事故も頻発し、安全性の確保が大きな課題となりました。これにより、鉄道の近代化には巨額の費用がかかることが明らかとなり、名古屋鉄道は鉄道からバスへの転換を決定しました。

2004年10月1日には、岐阜市内のバス事業を岐阜乗合自動車に譲渡し、その後、岐阜バスが該当する路線の運行を行うことになりました。このように、高富線はその利用者の需要に対して、鉄道としての役割を果たすことができなくなり、実質的に廃止されてしまいました。

開業から廃止までの経緯

高富線の歴史は、1912年3月30日に長良軽便鉄道への鉄道免許状が下付されたことから始まります。その後、1913年に開業し、数度の駅名変更や接続路線の開業を経て、1930年には名古屋鉄道による美濃電気軌道の合併により、高富線として運用されることになりました。

その後も過去の駅名改称や一時的な駅の休止を経て、1949年には粟野駅が営業を再開しますが、1960年4月22日には全線が廃止され、バスに転換されることが決定しました。この過程において、高富線は多くの利用者に支持されながらも、最終的には交通手段の変遷に影響される形で終焉を迎えました。

駅一覧と現状

高富線が運行していた全ての駅は岐阜県岐阜市に位置していました。他の地域の路線と同様に、廃線後の跡地は旧国道256号に転用されるなど、鉄道時代の名残を留めています。廃止から半世紀が近づいても、かつての利用者や地域住民に強く記憶されている路線であり、高富線の存在は鉄道の歴史を語る重要な一部となっています。名古屋鉄道の他の路線と同様に、廃線の経緯が複雑であり、今でも多くの鉄道ファンや歴史愛好者に関心を持たれています。

もう一度検索