名鉄C350形蒸気機関車

名鉄C350形蒸気機関車について

名鉄C350形蒸気機関車（めいてつC350がたじょうききかんしゃ）は、かつて名古屋鉄道で運用されていたタンク式の蒸気機関車です。全長約1両のC351が存在し、この機関車は名古屋鉄道において最後まで在籍していた蒸気霊感車でもあります。

機関車の背景

C350という形式名は、もともと所有していた三興製紙の「三興」を由来となし、数字の「35」を示しています。この機関車は、1944年に立山重工業で製造されたもので、車軸配置は0-6-0 (C)形のウェルタンク機関車です。製造番号については記録が残っていないため不明です。

初期の運用では、日本製鐵広畑製鐵所のS315として使用されていました。その後、1946年に東濃鉄道の借り入れにより「東濃4号」として駄知線で運行され、駄知線の電化後には再び広畑製鉄所に返却されました。1951年には三興製紙がこの機関車を購入し、名古屋鉄道にC351として入線しました。

運行と役割

名古屋鉄道に入った後、C351は専用の三興製紙専用線で主に運行されました。この機関車は、ただ物資を運ぶだけでなく、1961年に発生した伊勢湾台風時には電車の救助活動に従事したというエピソードがあります。このように、C350形は単なる貨物輸送車としての役割にとどまらず、地域の交通に寄与しました。

廃車までの道のり

しかし、C350形の運命は1963年に終わります。この年に廃車され、名古屋鉄道から姿を消しました。廃車後この機関車に関する詳細な記録は残っていませんが、その活躍は名古屋鉄道の歴史の一部として語り継がれています。

名鉄C350形蒸気機関車は、名古屋鉄道の中で最後まで運用された蒸気機関車として、鉄道ファンの間でも愛され、多くの人々に記憶されています。タンク式の機関車は、当時の鉄道界において独自の存在感を放っており、その姿は多くの車両の中でも特別なものとされました。

参考文献

本機関車についてさらに詳しい情報は、『鉄道ピクトリアルアーカイブスセレクション30「名古屋鉄道1960〜1970」』に記載されています。この文献は、名古屋鉄道の歴史や機関車についての詳細な情報が豊富に盛り込まれています。

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