名鉄DB70形ディーゼル機関車

名鉄DB70形ディーゼル機関車

名鉄DB70形ディーゼル機関車は、名古屋鉄道で運行されていた特異な小型のディーゼル機関車です。この機関車は、日本輸送機が1963年に製造したもので、全体で1両の存在が確認されています。この機関車は、名古屋鉄道の総合運営において、特別な役割を果たしました。

機関車の特徴

DB70形は、L字型の特徴的な車体を持ち、全長はわずか15トンと、比較的小型の機関車です。そのため、狭いスペースでも運転しやすく、特に専用線での運用に適していました。従来の蒸気機関車に比べて、ディーゼルエンジンの搭載により、燃料効率が高く、メンテナンスも容易です。

この機関車は、三興製紙の私有車として名古屋鉄道の車籍に登録され、特定の貨物輸送に使用されました。具体的には、尾西線の森上駅から延びる専用線において、貨物の運搬を行っていました。この運行は、DB70形が果たしていた大切な任務の一環だったのです。

運用と廃止

名鉄DB70形ディーゼル機関車は、しばらくの間、尾西線で貨物列車の運搬に従事しましたが、1978年7月23日に森上駅での貨物営業が廃止されたことを受けて、運用を終了しました。このことにより、この機関車の役割は終わりを迎えました。廃止当初は多くのファンに惜しまれる存在でした。

その後、1979年には廃車となりましたが、機関車自体は解体されることはなく、別の業者である小西砕石に引き取られました。ここでも高山本線の坂祝駅にある専用線で運用されることとなりました。これにより、DB70形は新たな業務に従事し、しばらくの間一般の輸送活動に貢献したのです。

参考文献と記録

この機関車についての詳細な情報は、様々な文献に記録されています。例えば、鉄道ピクトリアルの2月号別冊である「鉄道ピクトリアルアーカイブスセレクション30『名古屋鉄道1960〜1970』」や、清水武、田中義人、澤内一晃によって執筆された『名古屋鉄道の貨物輸送』は、この機関車を理解するための貴重な資料です。特に、近年の貨物輸送に関する視点からも、DB70形の重要性を再認識するための手助けとなるでしょう。

名鉄DB70形ディーゼル機関車は、その小型のフォルムと特異な側面から、現在でも鉄道ファンや歴史愛好者にとって興味深い存在であり、その記憶は色あせることはありません。

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