向井正

向井正について

向井正（むかい ただし、生年1945年5月）は日本を代表する天文学者および惑星科学者です。彼は神戸大学の名誉教授であり、日本惑星科学会の元会長を務め、21世紀COEプログラム「惑星系の起源と進化」では拠点リーダーとしても活躍しました。また、現在は京都情報大学院大学の教授として教鞭を執っています。

出身と学歴

向井は大阪府大阪市住吉区で生まれ育ちました。大阪府立住吉高等学校を卒業後、京都大学の理学部物理学科に進学し、1974年に同大学院で理学博士号を取得しました。彼の博士論文は「On the circumsolar grain materials（太陽近傍の固体微粒子について）」という題で、微細な粒子の研究によって太陽系の成り立ちを解明しようとするものでした。

研究の業績

向井は光散乱の理論を駆使し、天文学的な観測や探査機の測定を通じて惑星間塵の構造とその起源について研究を行っています。特に、探査機「はやぶさ」に搭載されたレーザー高度計の開発により、小惑星イトカワ内部に多数の空洞が存在することを発見するなど、実績を上げています。また、散乱円盤天体の分布を分析することで、惑星Xの存在を推測し、その軌道を計算する業績もあります。

彼にちなんで命名された小惑星 (10146) 向井正は、彼の貢献を物語っています。

職歴

向井のキャリアの始まりは、1975年に金沢工業大学の助教授としての就任です。そして1977年には教授に昇格し、1990年には神戸大学大学院理学研究科で教授に就任しました。その後、2004年から2009年まで日本惑星科学会の会長を務め、定年退官後も京都コンピュータ学院で教授として活動し続けました。

著書

向井は多くの著書を著していますが、特に1994年に発表された『小惑星がやってくる』は広く知られています。その他にも、共著による多くの専門書や、教科書があり、彼の研究が広く普及する手助けを行っています。主な著書には次のようなものがあります。

• - 『現代天文学講座 第3巻 太陽系の構造と起源』(1979年)
• - 『彗星－その本性と起源』(1989年)
• - 『太陽系に未知の「惑星X」が存在する！』(2008年)

最後に

向井正は、日本の天文学および惑星科学の発展に多大な貢献を果たしてきました。彼の研究は惑星科学だけでなく、広く宇宙に関する理解を深める上で重要な役割を果たしています。今後も彼の業績は新たな発見や研究に活かされ、さらなる発展が期待されます。彼の成果は、次世代の科学者たちにとっても大きな刺激となり、宇宙への探求心をかき立てていることでしょう。

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