向井裕紀弘

向井 裕紀弘

1980年4月24日生まれ、愛媛県今治市出身。陸上競技選手として400mを専門とし、オリンピック出場を果たす。その後プロスポーツである競輪選手に転身し、引退後は教職に就きながら陸上競技の指導者として活動している。

陸上競技での歩み

故郷の愛媛県今治市で育ち、中学校で陸上競技を本格的に開始。全国中学陸上競技大会に出場するなど、早くから才能の片鱗を見せた。愛媛県立新居浜東高等学校へ進学後も競技を続け、高校3年間を通してインターハイおよび国民体育大会に連続出場を果たした。また、ジュニアオリンピックで2位、ジュニア選手権で4位と、世代別大会でも上位の成績を収めている。

高校卒業後は日本大学経済学部へ進学。大学2年時には、関東インカレの4×400mリレーに第2走者として出場し優勝に貢献。この時の記録は現在も日本学生記録として残っている。大学4年時には関東インカレ個人種目で優勝を飾り、続く日本選手権では2位となり、この活躍が認められ初めて日本代表に選出されアジア選手権に出場した。

大学卒業後は西濃運輸株式会社に入社し、同社の陸上競技部に所属。実業団選手としての1年目、静岡国体で3位に入賞し、この記録でアテネオリンピック参加標準記録を突破した。2年目には日本選手権で4位、さらに南部忠平記念陸上大会で2位となるなど着実に実績を積み重ね、2004年のアテネオリンピック日本代表に選出されるという、キャリアの頂点に達した。

しかし、所属していた西濃運輸陸上部の廃部に伴い同社を退社。その後は岐阜県イベントスポーツ振興事業団に在籍し、陸上競技の指導に携わりながらも現役選手として北京オリンピック出場を目指した。2006年には兵庫国体の成年男子400mで優勝し、ドーハアジア大会にも出場するなど粘りを見せたが、2008年にオリンピック代表内定を得ることは叶わず、陸上競技の第一線から退くことを決意した。

競輪選手への転身

陸上競技を引退後、新たな道としてプロスポーツの世界である競輪への転身を決断。競輪選手の山口富生氏（第68期生）に師事し、2008年秋に日本競輪学校を適性試験で受験し合格した。同校第98期生として訓練を積み、2011年1月にA級3班でプロデビューを果たした。

競輪選手として約8年間活動し、通算727回出走。A級チャレンジレースで5回の優勝を記録するなど、1着70回、2着89回、3着116回という成績を残した。2019年4月をもって競輪選手としてのキャリアを終え、現役を引退した。

引退後の活動

競輪選手引退後の2019年5月からは、岐阜県の富田高等学校で非常勤講師として2年間教壇に立った。2021年からは地元愛媛県に戻り、聖カタリナ学園高等学校で地歴公民科の教諭として教鞭を執っている。教育者としての活動と並行して、同校の陸上競技部の指導者も務めており、自身の経験を活かした後進の育成に取り組んでいる。

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