向島 (広島県)

向島（むかいしま）

向島は広島県尾道市にある、自然豊かな魅力的な島です。尾道水道をはさんで本州と接しており、北側は本州、南側は因島、西側は岩子島といった他の島々と橋で結ばれています。この島は面積22.22平方キロメートル、周囲約28キロメートルで、北岸には平地が広がり、他の部分は丘陵地となっています。最高峰は高見山で、283メートルの高さを誇ります。気候は瀬戸内海式で、温暖で過ごしやすいのが特徴です。

地理

向島は尾道市の南に位置しており、自家用車や渡船でアクセス可能です。
島内にはいくつかの郵便番号があり、向島町は主に453-049、向島町立花と向東町という地区が存在します。2016年の時点で、向島は日本遺産に認定された2つの重要な文化遺産に関連しています。1つは「尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市」で、島の北側にある尾道旧市街地と密接に関連していることから含まれています。もう1つは「村上海賊の本拠地」に関するもので、古くからこの地域の航路を管理していた村上水軍が拠点を置いていました。このように、向島は広島県の歴史や文化と深い関わりを持っています。

歴史

古代

縄文時代からこの島にはさまざまな遺跡が存在し、製塩に関わる遺物も見つかっています。例えば、古江浜遺跡では製塩土器が発掘され、この地域の歴史的な背景を物語っています。

中世

向島が「歌島」として知られるようになったのは平安時代で、和歌が盛んだった場所として名が知られました。江戸時代になると、この島は塩田が発展し、特に製塩業が重要な役割を果たしました。江戸時代には尾道からの交易によって経済が発展し、商業の中心地として栄えました。
また、向島は村上水軍の構成地域に属しており、海賊たちがこの島を拠点に活動していました。そのため、島内にはいくつかの城跡が残されています。

近世・近代

近代に入ると、向島では造船業が発展し、特に木造船から鉄造船への転換が行われました。この島では松場鉄工所が設立され、さらに多くの造船所が営業を開始しました。また、戦争による特需もあり、向島は活況を呈しました。
農業も行われ、柑橘類や花の栽培が盛んであったことから、商業地尾道に近い立地を生かし様々な産業が発展しました。

現在の向島

現在、向島は観光地としても知られ、さまざまな観光名所や文化財も存在します。特に、尾道洋らんセンターや立花自然活用村などは訪れる価値があります。また、歴史的風致を維持するための取り組みも進められており、地域全体が「向島・海と暮らしの歴史文化保存活用区域」として指定されています。さらに、近年は交通網が整備され、尾道大橋や因島大橋などが開通し、アクセスが向上しました。しかし、少子高齢化や人口減少の問題も抱えています。

そのため、今後の発展に向けて地域の魅力を保ちながら、観光や産業を活かした持続可能な社会作りを進めることが求められています。

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