君しかいらない

『君しかいらない』

概要

『君しかいらない』は、日本の漫画家・吉住渉によって描かれた作品です。この漫画は、少女漫画雑誌『りぼん』（集英社）に連載されており、全2巻の単行本と、文庫版が1巻発行されています。文庫版には、作者による後日談が収められています。

あらすじ

物語は、高校生で成績優秀ながら恋愛に対しては奥手な十時集が主人公です。集は、放課後の教室で転校生の栗原朱音と出会い、一目で彼女に恋をします。初恋の甘さに心が躍る集ですが、朱音には16歳にして離婚歴があるという複雑な過去がありました。この事実を知った集は動揺しますが、朱音への想いを抑えきれず、告白を決意します。しかし、彼の告白を阻むかのように、朱音の元夫である橘川恭一が現れたことで、物語は波乱へと進展します。

登場人物

栗原朱音（くりはら あかね）

本作のヒロインであり、16歳の女子高校生です。生まれつき体が弱く、入院生活を経て手術を受けて回復しました。彼女はその担当医である橘川と結婚しましたが、橘川の浮気が原因でわずか3か月で離婚。転校生として集たちの高校に入学し、見た目は穏やかな性格ながら、離婚後のトラウマから一変、攻撃的な一面を持つこともあります。物語の終わりには女子大を卒業し、集と良い関係を築いていきます。

十時集（ととき あつむ）

集はもう一人の主人公で、16歳の男子高校生です。彼は合格必至の成績を持つ優れた生徒で、医者になる意欲は持っていませんでした。朱音との出会いをきっかけに恋心に目覚め、素直で思いやりのある男性に成長していきます。最終的には名門の大学に進学し、一流企業に就職します。

橘川恭一（きっかわ きょういち）

朱音の元夫であり、元主治医です。女性関係はルーズですが、心の底では朱音だけを本気で愛していました。浮気が原因で離婚し、その後も朱音の気持ちを取り戻そうと奮闘します。医療の分野では真面目に研究に取り組んでいますが、女性関係は変わらず奔放で、最終的には他の女性と再婚します。

栗原萌（くりはら もえ）

朱音の妹で、姉を非常に大事にしている少女です。姉の幸せに心を砕きながらも、自分の恋愛は進展しにくい状況です。後に集の弟である求と関係を持つことになります。

十時求（ととき もとむ）

集の弟で、萌と同級生です。勉強や運動でずっと勝てなかった彼女に対して対抗意識を持ち、いつの間にか惹かれていきます。高校では萌に告白して付き合うことになりますが、彼の気持ちは淡い片想いに近いものでした。

書誌情報

『君しかいらない』は、りぼんマスコットコミックスとして全2巻が発行されています。

• - 第1巻：1996年10月発行（ISBN 4-08-853882-X）
• - 第2巻：1997年2月発行（ISBN 4-08-856002-7）

また、集英社文庫版では全1巻が2007年9月に発行されています（ISBN 4-08-618649-7）。

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