君のひとみは10000ボルト

「君のひとみは10000ボルト」についての詳細

「君のひとみは10000ボルト」は、1978年8月5日に堀内孝雄がソロアーティストとしてリリースしたシングルです。この楽曲は、資生堂ベネフィークのキャンペーンソングとして広く知られ、1978年の年間シングルチャートでは4位にランクインしました。販売枚数は90万枚を超え、多くの人々に愛される楽曲となりました。

制作の背景

この楽曲は、作詞を谷村新司が、作曲を堀内孝雄が担当しています。初めはアリスの依頼として制作される予定でしたが、谷村はコンサートツアー中に重い病気を患い、長期入院を余儀なくされました。このため、資生堂のキャンペーンソングを実現するために、堀内がソロでの採用を打診されることになり、快諾されました。その際、タイトルについて相談したところ、谷村は一瞬困惑しましたが、直感的にインパクトのある歌詞を創作しました。堀内はその後、曲が完成するまで何度も自ら歌い込み、大ヒットの予感を抱いていたと語っています。

ジャケット写真で堀内が着用しているTシャツは、下北沢で購入したもので、意外な私物であることも記録されています。また、楽曲のタイトル「10000ボルト」が時折「ひゃくまんボルト」と誤解されることもありますが、これは公式に「君のひとみは10000ボルト」とされています。実際、この曲は制作当初から資生堂のCMソングとして作られ、タイトルも同社によって決定されました。例えば、資生堂の担当者が会議でテーマを語る際、「君のひとみは10000ボルト」と書かれた紙が封筒から出され、堀内がその内容を見た後で、封筒に戻されたという逸話があります。

音楽的な成績と記録

「君のひとみは10000ボルト」は、発表から約1ヶ月後にはオリコンシングルチャートの3位に登場し、翌週には見事1位を獲得します。同じ時期には、この楽曲が収録されたアルバム『あいつが死んだ晩』もアルバムチャートで1位になり、両者が同時に高い評価を受けました。1979年時点での累計売上は160万枚を超えるとされ、堀内にとっても、非常に重要な楽曲となりました。

収録曲とソノシート

この楽曲はまた、資生堂の販促用に製造された非売品のソノシートにも収録されています。ソノシートには「声のお便り メッセージボイス '78 AUTUMN」という副題が付けられ、他にも「アイ・アム・ルーシー」や「グレイシィ・メイクアップニュース」といった曲が収録されており、総合司会は久米宏が務めました。

カバー曲

「君のひとみは10000ボルト」は、多くのアーティストによってカバーされています。アニタ・ムイは1984年に広東語の歌詞で「發電一千VOLT」という曲名で収録し、泉里香やshioriはそれぞれ2018年にドラマの主題歌として使用しました。また、中村佳穂は2022年に資生堂の創業150周年を記念した企業CMソングとしてこの楽曲を制作しました。

まとめ

「君のひとみは10000ボルト」は、単なるヒット曲にとどまらず、制作背景や多くのカバーを持ち、1970年代の音楽シーンにおける重要な楽曲の一つとして位置付けられています。堀内孝雄のソロデビューの象徴的な作品としても記憶され続けることでしょう。

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