君の瞳には映らない

小松未歩11枚目のシングル『君の瞳には映らない』：新たなサウンドと恋愛三部作の到達点

2000年10月18日、GIZA studioより発売された小松未歩の11枚目のシングル『君の瞳には映らない』（規格品番：GZCA-1047）は、彼女の音楽性における重要な転換点となった作品です。それまでの作品とは一線を画し、シンセサイザーやドラムマシンといった打ち込みサウンドを初めて積極的に取り入れることで、楽曲に新たな魅力と深みを与えています。

このシングルは、アーティスト写真にも象徴的に表れているように、小松未歩のキャリアにおいて重要な位置を占めています。テンガロンハットをかぶったアーティスト写真は、現在でもオフィシャルサイトのトップページに掲載され、彼女の代表的なイメージとして広く知られています。この写真からも、このシングルが彼女にとって特別な作品であることが伺えます。

『君の瞳には映らない』は、『あなたがいるから』、『Love gone』と共に「シングル恋愛三部作」としてリリースされた第2弾作品です。4枚目のアルバム『小松未歩 4 〜A thousand feelings〜』のキャッチコピーである「過去（きのう）の恋、現在（きょう）の恋、未来（あした）の恋がここにあります。」において、「未来（あした）の恋」として位置付けられ、彼女の恋愛観を多角的に表現する楽曲群の中核を担っています。

楽曲のサウンド面だけでなく、タイアップ面でも注目すべき点があります。表題曲『君の瞳には映らない』は、テレビ大阪制作の音楽番組『アメロク』のエンディングテーマとして使用され、多くの視聴者の耳に届きました。カップリング曲『あなたを愛してくこと』は、UHF14局ネット厚生年金事業振興団のキャンペーン『風に乗って素敵に』のテーマソングに起用され、幅広い層への浸透を図っています。

これらのタイアップを通じて、『君の瞳には映らない』は、音楽ファンのみならず、一般層にも広く認知される楽曲となりました。累計売上枚数は9万枚を記録し、商業的にも成功を収めた作品と言えるでしょう。

楽曲制作においては、作詞・作曲を小松未歩自身が行い、編曲は大賀好修（OOM・Sensation）が担当しています。小松未歩の繊細な感情表現と、大賀好修による洗練されたアレンジが見事に融合した、聴き応えのある作品に仕上がっています。

『君の瞳には映らない』は、収録アルバムである『小松未歩 4 〜A thousand feelings〜』、『小松未歩 ベスト 〜once more〜』にも収録されており、彼女の代表曲として長く愛され続ける楽曲として、その地位を確立しています。このシングルは、サウンド、コンセプト、商業的成功、そしてアーティストとしてのイメージという複数の側面において、小松未歩のキャリアにおける重要なマイルストーンと言えるでしょう。 シンセサイザーやドラムマシンの導入という新しい試み、恋愛三部作における位置付け、そして象徴的なアーティスト写真など、様々な要素が複雑に絡み合い、このシングルに独特の魅力を与えています。

もう一度検索