君塚太

君塚太氏は、1965年に東京で生まれた編集者・ライターです。その活動は多岐にわたり、書籍の編集から執筆、音楽業界向けのインタビューまで幅広く手がけています。

2014年にはTAC出版（TAC株式会社出版事業部）に入社し、「おとな旅プレミアム」シリーズなどの国内旅行ガイドの編集を担当しました。このシリーズは、K&Bパブリッシャーズが編集を担当し、質の高い旅の情報を読者に提供しています。旅行ガイドの編集に携わる一方で、1998年以降は音楽業界向けの媒体でインタビューや執筆を続けており、音楽に対する深い造詣がうかがえます。

君塚氏の著書には、独自の視点と深い考察が光る作品が数多くあります。

『原宿セントラルアパートを歩く : 1962-86あの場所にいたクリエイターを訪ねて』（河出書房新社、2004年）
この著書では、1960年代から80年代にかけて日本のクリエイティブシーンの中心地であった原宿セントラルアパートに焦点を当て、そこで活躍したクリエイターたちの足跡を辿っています。単なる歴史的な記録にとどまらず、当時の文化や時代背景を鮮やかに描き出しています。

『日本ロック写真史angle of rock : 1970-1999』（ぴあ、2007年）
この本は、日本のロックシーンを写真で振り返る画期的な一冊です。数々の著名な写真家たちが撮影した貴重な写真とともに、1970年代から90年代までのロックの歴史を堪能できます。君塚氏は編者として、写真とテキストをまとめ、日本のロック史における重要な瞬間を読者に伝えています。

『日韓音楽ビジネス比較論 : K-POPとJ-POP本当の違い』（アスペクト、2012年）
音楽ビジネスの視点から、K-POPとJ-POPの違いを分析した意欲作です。両国の音楽市場の構造や戦略を比較することで、それぞれの特徴を浮き彫りにしています。音楽業界関係者だけでなく、音楽ファンにとっても興味深い内容です。

『TOKYO ROCK BEGINNINGS : アマチュア・バンドとユース・カルチャーの誕生』（河出書房新社、2016年）
日本のロックの黎明期に焦点を当て、アマチュアバンドの活動とユースカルチャーの誕生を詳細に描いています。日本のロックの原点を知ることができる一冊です。

また、君塚氏は編集者としても多くの書籍に関わっています。担当した書籍には、以下のような作品があります。

ナンシー関『ナンシー関の顔面手帖』（シンコー・ミュージック）
高橋幸宏『キャッチ&リリース』（ダイエックス出版）
小坂忠『まだ 夢の続き』（河出書房新社）
『サディスティック・ミカ・バンドOfficial Book Box set』（河出書房新社）
川勝正幸『ポップ中毒者の手記』シリーズ（河出書房新社）
赤司竜彦『「欲しい！」こそすべて　ベアブリックを生んだ会社のものづくりの流儀』（アスペクト）

これらの書籍は、音楽やカルチャーを語る上で欠かせない作品であり、君塚氏の編集者としての才能が遺憾なく発揮されています。

さらに、音楽CDの編集にも携わっており、小坂忠の『Chu's Garden』（ソニー・ミュージックダイレクト）を編集しました。

君塚太氏の活動は、書籍編集、執筆、音楽業界におけるインタビューと多岐にわたります。これらの活動を通して、日本の文化と音楽の発展に大きく貢献していると言えるでしょう。彼の作品は、音楽ファン、カルチャーに関心のある人々にとって、貴重な情報源となっています。

参考資料として、「K-POPを徹底研究『日韓音楽ビジネス比較論』発売」や、「はっぴいえんどやYMO他・日本を代表するミュージシャンとユース・カルチャーを生んだ2グループの軌跡を通してロックの誕生に迫る書籍が発売」という記事が挙げられ、君塚氏の著書や活動に対する評価の高さが伺えます。

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