吼えろ鉄拳

映画『吼えろ鉄拳』の詳細

『吼えろ鉄拳』（ほえろてっけん）は、1981年に公開された日本のアクション映画で、東映京都撮影所が制作しました。監督は鈴木則文が担当し、主演には真田広之が起用されました。本作は真田にとって2作目の主演長編映画であり、若者たちの熱い成長と復讐をテーマにした作品です。

ストーリー

物語は、真田が演じる主人公・響譲次が叔父によって命を奪われた家族の仇を討つため、悪のシンジケートに立ち向かう姿を描いています。舞台は香港や神戸市、さらには京都市などさまざまな場所が用いられ、壮大なアクションが展開されます。主人公は困難に直面しながらも仲間とともに成長し、悪に立ち向かう姿が青春活劇として表現されています。

本作は同時上映で『野菊の墓』も公開され、松田聖子が主演していました。真田と松田の人気の高さが本作にも影響し、興行成績を大きく左右しました。

キャスト

映画には多彩なキャストが揃いました。響譲次役の真田広之をはじめ、志穂美悦子や新人の山下美樹、さらにはプロレス界からアブドーラ・ザ・ブッチャーが用心棒役で登場します。物語の中で彼らのキャラクターがどのように絡み合いながら進行するのかが見どころの一つです。

制作の背景

『吼えろ鉄拳』は、真田広之を本格的なアクションスターに育てるために企画された作品です。前作『忍者武芸帖 百地三太夫』が興行不振に終わった際に、鈴木則文監督が再び真田の主演作を作るべく舞い戻ってきました。彼の情熱と非常に高いアクションへの意気込みが、本作の製作へとつながります。

撮影

本作の撮影は、スタジオだけでなく、実際のロケーションでも行われました。特に香港での撮影はスリリングな場面が多く、真田は本格的なアクションを追求しました。現地の二階建てバスの屋根の上での決闘や、海にダイブする場面は、彼の身体能力の高さやプロフェッショナリズムを証明するものでした。

評価と影響

興行面では『吼えろ鉄拳』は成功を収め、配給収入は約8億円に達しました。映画評論家たちからも高評価を得ており、特に真田広之の肉体的なパフォーマンスやアクションシーンに対する評価が際立ちました。物語の設定やキャラクターの刻印があまり強くないとの意見もありましたが、確かに存在したエンターテインメント性は観客の心を捉えました。

本作はその後、海外市場でも人気を博し、フランス語吹き替え版が『Roaring Fire』としてリリースされるなど、国際的な評価を得ました。アクション映画としてのスタイルはその後の日本映画にも影響を与えることになり、鈴木則文監督のキャリアにも大きな転機となりました。彼は以降も多くのアクション作品を手掛け、映画界の重要な存在として名を馳せることになります。

まとめ

『吼えろ鉄拳』は日本のアクション映画の中で、真田広之の才能を見事に引き出した作品であり、若者の成長や復讐のドラマを描いた感動的なストーリーを提供します。アクションの質や脚本の巧妙さ、そしてキャストの魅力が織りなす一体感は、視聴者に強い印象を与えました。

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