呂一型潜水艦

呂一型潜水艦について

呂一型潜水艦（ろいちがたせんすいかん）は、日本海軍に所属した潜水艦の艦級であり、F1型とも呼ばれています。この艦級は、同型艦が2隻あり、いずれも日本でライセンス生産された性質を持っています。

概要

呂一型潜水艦は、イタリアのフィアット社によって設計されたロレンチ型潜水艦を基に、日本の技術によって建造されたものです。主機関にはフィアット型ディーゼルエンジンが採用されており、1920年に川崎造船所で建造されました。艦の竣工は1920年で、当初の艦名は第十八潜水艦および第二十一潜水艦というものでした。

しかし、呂一型には船体の強度に関する課題や、主機であるディーゼルエンジンの信頼性に欠ける点があり、実際の運用においては様々な問題が生じました。これらの欠陥により、1932年4月1日に両艦は除籍され、その戦歴は特筆すべきものはありませんでした。

同型艦の詳細

呂一型に属する艦は以下の2隻です。

呂1（呂号第一潜水艦）

竣工日：1920年3月31日（神戸川崎）
竣工時の艦名：第十八潜水艦
改称日：1924年11月1日（呂号第一潜水艦）
除籍日：1932年4月1日

呂2（呂号第二潜水艦）

竣工日：1920年4月20日（神戸川崎）
竣工時の艦名：第二十一潜水艦
改称日：1924年11月1日（呂号第二潜水艦）
除籍日：1932年4月1日

潜水隊の配備

呂1型潜水艦は、竣工後に呉鎮守府に配属され、当初はS型、海中1型、海中2型からなる第14潜水隊に編入されていました。その後、日本海軍は潜水隊の育成を続け、佐世保鎮守府でも新たな潜水隊を編成することに決めました。大正9年12月1日に設立されたこの新隊は、佐鎮の固有番号を与えられ第21潜水隊として活動が始まりました。

配備された呂1型潜水艦は船体の構造に欠陥があり、潜航深度は20ｍが制限されていました。また、フィアット式ディーゼル機関は整備が難しく、計画された速力に達することができないことが多く、これが功を奏することはありませんでした。その結果、呂1型は艦隊への召集を受けづらい状態となり、最終的には昭和7年4月1日に両艦が除籍されるのと同時に潜水隊も解隊されました。

参考文献

本艦級に関する詳細な情報は、以下の文献で確認できます。

• - 海軍歴史保存会『日本海軍史』第7巻、第一法規出版、1995年
• - 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』（光人社、1990年） ISBN 4-7698-0462-8
• - 勝目純也『日本海軍の潜水艦 - その系譜と戦歴全記録』大日本絵画、2010年

関連項目

* 大日本帝国海軍艦艇一覧

以上から、呂一型潜水艦は日本海軍の潜水艦史において重要な位置を占めていると言えるでしょう。

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