呂明賜

呂 明賜（ル・ミンス）

呂明賜は、1964年10月30日に台湾の高雄市で生まれた元プロ野球選手であり、現在は野球指導者として活躍しています。彼は外野手や捕手として日本プロ野球の読売ジャイアンツに在籍していました。特に彼の登録名「ろ めいし」は独特で、背ネームは「RO」となっており、これは日本プロ野球史で最も短い背ネームの一つとして知られています。

日本プロ野球時代

呂は1988年、台湾の中国文化大学から読売ジャイアンツに入団し、背番号97を付けました。この背番号は彼の入団時の体重97kgに由来しています。その年、巨人にはウォーレン・クロマティやビル・ガリクソンといった実力派の外国人選手が在籍していたため、呂は当初は二軍での活動となりました。

1988年6月13日、クロマティが怪我をしたことにより呂は一軍に昇格し、初打席で早速本塁打を放ちます。その後の活躍により、彼は連続して本塁打を放ち、デビューから9試合で7本のホームランを記録しました。この活躍は「呂効果」と評され、多くの注目を集めました。更に、セリーグ理事会の会議では通訳の人数を増やす変更がなされ、オールスターゲームにも選出されるなど、その影響力を示しました。

しかしながら、シーズン後半には疲労や投手陣の対策により成績が下降しますが、最終的には16本の本塁打を打ち、「アジアの大砲」としての地位を確立しました。1990年には外野手のマイク・ブラウンの加入で出場機会が減少し、1992年には帰国し台湾の中華職棒でプレーを始めます。

台湾野球界時代

台湾では、最初は味全ドラゴンズに選手兼任コーチとして契約しますが、兄弟エレファンツからの指名を受けて一時的に契約を結び、その後三角トレードで味全に移籍しました。開幕戦で元巨人監督王貞治に激励を受けた彼は、その試合で逆転本塁打を放ち瞬く間にヒーローとなりました。

1997年には台湾プロ野球が内部分裂し、それにより中華職棒聯盟から永久追放処分を受ける苦境に立たされましたが、その後は高屏雷公に移籍し2000年に現役を引退しました。

引退後

引退後、彼は野球界を離れますが、2003年には寄付により復帰を果たしました。2006年からはLa Newベアーズの打撃コーチを務め、またWBCや北京オリンピックの台湾代表チームでも指導を行いました。2012年には台北市成棒隊の監督に就任し、2013年には台湾代表チームの監督にもなります。2014年の仁川アジア大会では、韓国に敗れたものの準優勝を果たしました。

2016年11月20日には、台中でのチャリティー試合に出場し、元選手との対決も行いました。呂明賜はそのキャリアを通じて多くの記録を残し、野球界において偉大な実績を持つ選手です。

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