ビル・ガリクソン

ビル・ガリクソン：逆境を乗り越えた不屈の魂

ウィリアム・リー・"ビル"・ガリクソン（William Lee "Bill" Gullickson、1959年2月20日 - ）は、アメリカ合衆国ミネソタ州出身の元プロ野球選手です。右投げ右打ちの投手として、メジャーリーグ（MLB）と日本プロ野球（NPB）の読売ジャイアンツで活躍しました。

MLBでの台頭と巨人への移籍

1977年のMLBドラフトでモントリオール・エクスポズから1位指名を受けプロ入り。1980年には10勝を挙げ、新人王投票で2位に入るなど、目覚ましい活躍を見せました。1981年には、チームを地区優勝に導き、その後も毎年二桁勝利を記録しました。

1988年、ガリクソンは読売ジャイアンツに入団。1型糖尿病を患いながらのプレーは、多くの人々に勇気を与えました。2年間で21勝を挙げ、日本の野球ファンにその実力を印象付けました。

巨人での日々

ガリクソンは、巨人時代を「奇妙だった」と振り返りつつも、チームメイトとの交流を楽しんでいました。特に桑田真澄投手とは親交が深く、息子に「クワタ」とミドルネームを付けたエピソードは有名です。また、長嶋茂雄氏の息子である長嶋一茂選手がプロ入り初本塁打を放った時の相手投手でもありました。

MLBへの復帰と最多勝利

1990年、ガリクソンはヒューストン・アストロズでMLBに復帰。1991年にはデトロイト・タイガースで20勝を挙げ、アメリカンリーグ最多勝利投手に輝きました。これは、彼が糖尿病と闘いながらも、高いレベルでプレーできることを証明するものでした。

引退後

1994年に現役を引退後、ガリクソンは糖尿病患者への支援活動に尽力しました。その功績を称え、1998年には日本糖尿病協会が「ガリクソン賞」を設立しました。この賞は、社会貢献をした1型糖尿病患者を表彰するもので、彼の名前が未来へと受け継がれています。

家族

妻サンディとの間には1男5女がおり、次女のカーリー・ガリクソンはプロテニス選手として全米オープン混合ダブルスで優勝。三女のチェルシーもテニス選手として活躍するなど、スポーツ一家としても知られています。

ビル・ガリクソンは、糖尿病という困難を乗り越え、野球選手として輝かしい実績を残しました。彼の不屈の精神は、多くの人々に勇気と希望を与え続けています。

MLB通算成績: 142勝109敗、防御率3.85
NPB通算成績: 21勝14敗、防御率3.20
* タイトル・表彰: MLB最多勝利1回、NPB月間MVP1回、東京ドームMVP1回

もう一度検索