呉凌雲

呉凌雲の生涯と延陵国の成立

呉凌雲（ご りょううん）は、清末において注目を浴びた反乱指導者であり、延陵国の建国者として知られています。彼は広西省新寧州出身で、富裕な家計に育ちながら、知識人としても名を馳せました。しかし、その人生は単なる富裕ではなく、逃げた農民を密かにかくまうことから始まります。この行動が後の彼の運命を大きく左右することになります。

1851年、呉凌雲は新寧州の知州によって逮捕されますが、金銭の支払いによって解放されました。この脱出は、彼にとって新たなスタート地点となり、逃亡している農民たちを組織する活動を本格化させました。「全勝堂」という名前の組織を立ち上げ、彼は農民たちの希望を束ねる存在となっていきます。

1856年、呉凌雲はついに蜂起し、新寧州に攻撃を仕掛け、見事に陥落させました。しかし、彼の勝利も長続きせず、1860年には清軍により奪回されてしまい、彼は忠州の隴羅村へと逃れます。しかし、この逃避行の後も呉凌雲は諦めることなく、周辺の州県を次々と制圧していきました。

1860年9月、ついに新寧州を再度攻略し、同年10月には太平府を占領します。これは彼にとって重大な成功であり、彼は1861年には太平府で「延陵国」の建国を宣言しました。呉凌雲は王を自称し、数十名の部下に爵位を与え、国を治める体制を整えました。

しかし、国の始まりを祝っている最中、1861年6月には清軍の反攻が始まり、養利州や左州、寧明州などが次々と陥落していきます。1862年には清軍が太平府をも狙うようになり、軍師の梁国楨や元帥の羅品光が戦死する事態に至ります。ついには1862年には太平府自体も清軍に陥落してしまうのです。

呉凌雲は再び隴羅村に逃げこみますが、そこも包囲され、戦局はますます厳しくなります。1863年、包囲を突破しようと試みたものの、彼は戦死という悲劇に見舞われます。このようにして、延陵国は滅亡の運命をたどりましたが、彼の息子である呉亜終は包囲から逃れることに成功し、その後の戦闘を続けました。呉凌雲の生涯は、歴史の中で数々の波乱に満ちた闘争の記録として語り継がれています。

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