呉亜終

呉亜終（ご あちゅう、Wú Yàzhōng、生年不明 - 1869年）は、清朝末期に広西省で起こった反乱「延陵国の乱」の指導者として知られています。彼は少数民族であるチワン族の出身です。

呉亜終の父、呉凌雲は広西省南西部で蜂起し、自ら「延陵国」を建国しました。しかし、清朝軍の包囲を受け、1863年に戦死してしまいます。父の死後、呉亜終は清軍の包囲を突破し、勢力を立て直すべく、鎮安府の三台山を占拠しました。

その後、呉亜終は霊山県の小張三と協力関係を築き、鎮安・帰順州といった地域を転戦しました。しかし、1868年4月、清朝軍の猛攻により帰順州が陥落し、小張三は戦死するという大きな打撃を受けました。さらに同年6月には、呉亜終が拠点としていた三台山も陥落し、彼はついにベトナムへの逃亡を余儀なくされます。

ベトナムに逃れた呉亜終でしたが、ベトナムの嗣徳帝は清朝の広西提督であった馮子材と手を組み、呉亜終を攻撃しました。これにより、1869年9月、呉亜終は戦死しました。彼の死後、残党の多くは、劉永福率いる黒旗軍に加わったと伝えられています。

呉亜終の率いた延陵国の乱は、清朝末期の混乱期における農民反乱の一つであり、その後の太平天国の乱や他の反乱勢力にも影響を与えました。彼の生涯は、清朝末期の社会不安と少数民族の抵抗の歴史を語る上で重要な事例と言えるでしょう。

参考文献:

* 羅爾綱『太平天国史』中華書局

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