呉少陽

呉少陽の生涯

呉少陽（ご しょうよう、生年不詳 - 814年）は、唐代の軍人であり、淮西節度使として特に知られています。彼の本貫は滄州清池県で、軍事的な能力に優れた人物でした。

経歴の始まり

呉少陽は、父の呉翔が魏博軍に仕官していた頃から、呉少誠と親しい関係にありました。彼は金帛を手厚く受け取り、呉家に従属し、軍職を果たすことでその信頼を得ていました。少陽は自らの昇進に伴い、呉少誠の家にしばしば出入りし、非常に密接な関係を築いていました。しかし、呉少誠が疑い深く、また冷酷な性格であったため、少陽はいつそのターゲットになるかと恐れていたと言われています。

外任への道

この恐れから、少陽は外任を希望し、呉少誠の上表により申州刺史に任命され、さらに御史大夫の肩を持つまでになりました。彼の大らかで気さくな性格は、多くの部下から支持を得る要因となりました。特に呉少誠の病状が重くなった際、部下であった鮮于熊児の策略により、少陽は摂副使・知蔡州事を代行することになりました。この機会に、少陽は呉少誠の息子である呉元慶を密かに殺害したとされています。

統治と支配力の確立

元和4年（809年）に呉少誠が亡くなると、少陽は自ら留後の地位に就きます。その後、王承宗が成徳軍節度使となるべく勅命を求めた際、少陽は一時的にその統治を預かることになります。元和6年（811年）には工部尚書を検校し、彰義軍の節度使としての職務を全うしました。その後、少陽は蔡州に約5年間留まり、入朝することはありませんでした。

地域での影響力

少陽が支配した汝南は広い野原が広がり、家畜を飼育するのに適した土地でした。また、少陽は寿州の茶山の資源を荒らしながら、多くの亡命者を匿い、軍勢を強化していきました。さらに、彼はしばしば馬を朝廷に献上し、その行為が詔によって称賛されることもありました。

晩年と死去

元和9年（814年）9月、呉少陽はその生涯を閉じました。彼の業績を称え、尚書右僕射の位が追贈されました。彼の長男である呉元済は、彼の後を継いでその家系を支えることとなります。

呉少陽の歴史は、唐代の軍事的・政治的背景の中で、彼自身の策略や行動によって色濃く刻まれています。彼は時代を超えて評価される人物であり、その決断力や先見の明は後世においても語り継がれることでしょう。

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