告白 (Confession)

告白（こくはく）

『告白』は、日本のシンガーソングライター、尾崎豊のライブ・ビデオ作品です。この作品は1995年10月21日にSony Recordsより、VHSビデオテープ2本組のボックス仕様としてリリースされました。国際的な呼称としては、英題「Confession」が付けられています。

作品内容

本作は、尾崎豊が活動した初期から中期にかけての期間、具体的には1984年3月15日に行われた記念すべきデビューライブの地である新宿ルイードから、1987年8月29日の有明コロシアム公演までの、およそ3年半にわたるライブ活動の中から選りすぐられた貴重な映像を収録しています。特に、ライブパフォーマンスの合間に尾崎自身が語るMC（司会進行や観客への呼びかけ）や、ステージ上で繰り広げられるモノローグ（独白）に焦点を当てて編纂されているのが特徴です。これらの「言葉」は、単なる楽曲の繋ぎとしてではなく、彼の思想、感情、そして時代に対するメッセージがストレートに表現されたものであり、アーティストの内面を理解する上で非常に重要な要素となっています。

さらに、本作にはライブ映像だけでなく、彼の多角的な姿を捉えるための映像素材も加えられています。1986年9月に彼が滞在していたアメリカ合衆国ニューヨークでの、比較的プライベートな様子を記録した映像や、過去に制作されたビデオ・クリップで使用されなかったアウトテイク（未使用の映像素材）なども収録されており、未公開であったこれらの映像はファンにとって非常に価値の高いものです。これらの映像は、ステージ上のカリスマとしての姿だけでなく、異文化の中で創作活動を行ったであろう彼の素顔や、作品が生まれる背景の一端を垣間見せる役割を果たしています。

タイトルの由来

作品名である『告白』というタイトルは、尾崎豊の没後に発表されたアルバム『放熱への証』（1995年）に付けられた副題から引用されています。その副題は「CONFESSION FOR EXIST ～生きること。それは日々を告白してゆくことだろう～」という言葉であり、これは彼自身の存在意義や人生観を深く表現したものです。本ビデオ作品が、アーティスト自身がライブステージという場で発した率直な言葉、すなわち彼自身の「告白」を中心に構成されていることから、このタイトルが冠されたと考えられます。

挿入歌

本作の映像に効果的に彩りを添えているのが、挿入歌として使用されている尾崎豊の楽曲群です。特に、1988年にリリースされた彼のオリジナル・アルバム『街路樹』に収録されている多数の楽曲が使用されています。計8曲が本作品に採用されており、いずれも尾崎豊自身が作詞・作曲を手掛けたものです。使用されている楽曲は以下の通りです。

核 (CORE)
時
紙切れとバイブル
LIFE
太陽の破片
COLD WIND
街角の風の中
街路樹

これらの楽曲が、彼のパフォーマンスや私的な映像と組み合わされることで、作品全体のテーマ性や叙情性がより一層深められています。

主な収録元

本作に収められている映像は、以下の様々な公演や時期に記録された素材から構成されています。

1984年3月15日 新宿ルイード
1984年12月3日 秋田文化会館
1985年1月12日 日本青年館
1985年8月25日 大阪球場
1985年11月15日 代々木オリンピックプール第一体育館
1985年11月21日 モノローグ・パート1
1985年12月26日 新潟県民会館
1986年9月 ニューヨーク
1987年7月1日 茨城県民文化センター
1987年8月23日 熊本BEAT-CHILD (アスペクタ)
1987年8月29日 有明コロシアム
1988年4月30日 モノローグ・パート2

これらの記録を通して、『告白』は、若きカリスマとして時代を駆け抜けた尾崎豊が、ステージ上で、そしてオフステージで、何を感じ、何を考え、何を伝えようとしていたのか、その「告白」の軌跡を克明に記録した、ファンにとってかけがえのない映像資料となっています。彼の言葉の真髄に触れたいと願う人々にとって、この作品は彼の魂への重要な窓となるでしょう。

もう一度検索