呑川

呑川（のみかわ／のみがわ）

呑川は東京都を流れる二級河川で、呑川水系の本流です。この川の水源は東京都世田谷区桜新町に位置し、周辺の自然環境と密接に関係しています。桜新町駅の南側から流れ始め、世田谷区や目黒区、大田区を経て東京湾へと注いでいます。呑川は多くの支流を持ち、それらは地域の地形に影響を与えています。

地理と流れ

呑川は、流域の多くの区域を通り、人々の生活に密接に関わっています。具体的には、桜新町駅から流れ始め、世田谷区深沢や目黒区八雲、さらには大田区の石川町や蒲田などを経て、最終的に東京湾に至ります。ただし、上流部は全て暗渠化されており、緑道として利用されています。これにより川の環境を改善しながら、地域のインフラとして機能していますが、大雨などの際には下水道からの越流が問題視されています。

水質改善の努力

近年、特に平成以降は、水質改善に向けたさまざまな取り組みがなされてきました。大田区が中心となって実施した取り組みには、河床の整正工事、高濃度酸素水浄化施設の設置、スカム抑制装置などが含まれています。これらの施工により、周辺住民が長年抱えていた悪臭の問題も解消の方向に向かっています。現在、呑川の流れは「城南3河川清流復活事業」によって供給される高度処理水が主成分となっています。

自然環境と地域への意義

水源付近の国道246号沿いに親水公園が整備されており、整然とした桜並木のもとで、地域住民が憩いの場を楽しむことができるようになっています。ここではカルガモなどの水鳥も観察でき、1994年には手づくり郷土賞を受賞するなど、その環境保護への意識の高まりが分かります。

支流の紹介

また、呑川にはいくつかの支流があり、例えば駒沢支流や柿の木坂支流，九品仏川などがあります。これらの支流はそれぞれ独特な流れを持っており、地域の水循環を支える重要な役割を果たしています。九品仏川は特に重要な支流で、浄真寺付近から流れ出て本流と合流します。洗足流れも、洗足池からの水を集めた水源として注目されています。

生態系と生物多様性

呑川はコイやフナ、ボラなどが生息していることで知られていますが、ミシシッピアカミミガメなど外来生物の存在も確認されています。最近では、旧来のボラが大量死している事例も報告され、原因についての調査が進められています。

呑川は、過去には水質問題を抱えていましたが、現在では地域の環境意識の向上とともに、徐々に持続可能な水辺として生まれ変わってきています。このような流域の生態系保全と地域環境の向上が、今後も続いていくことが期待されています。

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